英語が得意な人が確実に押さえている英文法【基礎編④ 品詞 – 冠詞】

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英語の勉強法

英文法を100%理解することを目標に、各単元を細かく徹底的に解説する【英語が得意な人が確実に押さえている英文法】シリーズ。(これまでのトピック・関連記事を振り返りたい方は↓のリンクからどうぞ!(^^)/)

英語が得意な人が確実に押さえている英文法【基礎編① 文型】
英語が得意な人が確実に押さえている英文法【基礎編② 語・句】
英語を母国語のように使いこなしたい方必見の勉強方法~文法編~
英語が得意な人が確実に押さえている英文法【基礎編③品詞 – 名詞】

基礎編の第3弾『品詞編』、今回は前回解説した『名詞』との結びつきが非常に強く、品詞の中でもダントツで複雑な『冠詞』について徹底的に解説していきたいと思います。

 

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Photo credit: dongga BS via Visual hunt / CC BY-NC-ND

まずはさらっと復習!品詞とは?

日本語や英語だけでなく全ての言語を学ぶ上で必ず理解しておくべきポイントが『品詞』。前回記事『❖英語が得意な人が確実に押さえている英文法【基礎編③品詞 – 名詞】』では詳しく説明しましたが、ここでもう一度簡単に『品詞の基本情報』を振り返りましょう。

◆文法的な機能や形で単語や句を見分けるための“ラベル”
◆大きく分けて8種類の品詞が英語には存在する。(名詞 / 冠詞 / 代名詞 / 形容詞 / 副詞 / 動詞 / 前置詞 / 接続詞 )

今日押さえるべき英文法【冠詞:a / an / the(article)】

『a / an / the』の並びを見て、「冠詞ってこれのことか!」と気づいた方は少なくないはず。『冠詞』という名前で聞いたことはなくても、英語を勉強していたら一度は必ず英語の文章の中で目にしたことがあると思います。そして皆さんがよ~くご存知の通り、冠詞の使い方や使い分けって本当に複雑なのです。だからこそ避けてはいけないんです。だからこそ確実にその使い方やそれぞれの冠詞の違いを学ばなければならない。英文法を徹底的に学習する狙い、それは「難しい単元の使い方・使い分けをちゃんと理解して『英語をかじっている日本人』▶『英語を理解している日本人』になること」です。

私たち日本人も、日本語を学んでいる外国人が話す日本語がたとえ文法が正しくなくても単語や前後の文脈を『なんとなく』つなぎ合わせて『なんとなく』相手が言おうとしていることを理解できてしまいますよね?それは逆の立場になった時も全く同じです。私たちが例えば英語を話す時に冠詞『a』と『the』の使いどころが間違っているとします。すると英語圏の人々は、『間違っている』とは認識するものの、私たちが意味していることは理解できているはず。なぜかというと、『文章の大部分を理解するのに問題はない違い』だからです。しかし、このちょっとした冠詞の使い分けの違いが「流暢さに欠けている」「話し手の英語の理解度の低さ」という事実を浮き彫りにし、ネイティブスピーカーに認識されてしまうのです。

『冠詞』=ヨーロッパ言語特有の品詞

なぜ日本人は英語の『冠詞』の使い方や使い分けが苦手なのか。それには理由がちゃんとあるんです。実は『冠詞』という品詞は英語をはじめ、ドイツ語、フランス語、イタリア語、オランダ語などといったヨーロッパ言語のみでしか使われておらず、日本語には『冠詞』が存在しません。そのため、『冠詞』にはいったいどのような性質があり、どのように文中で使われるのか、日本人は日本語を例にして学ぶことができないため、なかなか理解できない傾向にあるのだと思います。

【冠詞】とは

◆名詞・名詞句の前につき、それらがどのような名詞なのかを説明する品詞。
◆冠詞は不定冠詞(a, an)定冠詞(the)の2種類に分けられる。

【不定冠詞(indefinite article):a, an】

1. 数えることのできる名詞(句)(主に普通名詞)で、その数が1つのものに使う。

▶単数形の名詞(単数名詞)の前につく。 例:a pen(1本のペン)、a red pen(1本の赤いペン)
◆単数名詞・名詞句が母音(a, i, u, e, o)の音で始まる(発音される)場合▶『a』ではなく『an』が前につく。
▶母音(a, i, u, e, o)の音の前の不定冠詞が『a』ではなく『an』である理由は、『a』だと母音の音が連続して発音しづらくなるから。

<ポイント>
◆名詞・名詞句が母音(a, i, u, e, o)から始まっているからという理由で『an』をつけてはいけない。
▶ポイントは、名詞・名詞句の最初の音が「あ」「い」「う」「え」「お」で始まっているかどうか。始まっていれば『an』、たとえ頭文字が母音のどれかであっても音が「あ」「い」「う」「え」「お」ではない場合は『a』を前につける。
例1:university ▶ a university | European girl ▶ a European girl
⇒「university」→「ユニヴァースィティ」、「European」→「ヨーロピアン」と、文字として頭文字に母音が使われているだけで発音自体は母音でないため、『a』が冠詞として使われる。

例2:hour ▶ an hour | LED lamp ▶ an LED lamp
⇒「hour」→「アワァー」 | 「LED」→「エルイーディー」と、頭文字に母音は使われていないが発音が母音なので『an』が冠詞して使われる。

例3:year ▶ ???
⇒ a yearになります。日本人が間違えやすいのがこの『year』の発音。英語の正しい発音では「ゆ」に限りなく近い「い」の音から始まる『ji』という発音から始まるため、『a』が冠詞として使われます。

2. 単数名詞(句)について初めて話す時

◆物・ことや場所についてそれらを新しい情報として話題にするとき、『a』または『an』を使います。
例:A『By the way, I got a car last week!』(ところでさ、わたし先週車を買ったの!)

▶『a』を単数名詞・単数名詞句の前につけることによって、相手にとって新しい情報としてそれらの名詞(句)を話の中で伝えることができます。

3. 単数名詞(句)を不特定に指す時

◆人や物、場所を「あの◯◯」「この◯◯」と明確に指さずに相手に伝えるとき、『a』または『an』を使います。この場合、聞き手は、話し手がいくつかある対象の人、物事、場所のうちのどの1つを指しているのかは分かりません。
例:A 『I’ve lost a pen.』 ((何本か持っているうちの)ペンを1本なくしちゃった。)

▶この時聞き手はなくしたペンがどのようなペンなのかを特定することができません。ただ、「何本か持っているうちのどれかのペンを1本失くしてしまった」という情報だけが聞き手に伝わります。

【定冠詞(definite article):the】

1. 一度会話に触れた単数名詞(句)について再び話す時

上述の不定冠詞『a』『an』の項目iiでは「会話で初めて触れる物・ことには『a』『an』をつける」と説明しました。会話で一度でも情報として出したそれらの物・ことを2回目以降会話に再び出す時は『the』をつけます。
例:『I’ve lost a pen around here. The pen is pink.』 (この辺でペンをなくしちゃった。そのペンはピンク色なんだけど。)
▶最初の文では『a』が使われていますが、これは聞き手側が、話し手が何本か所有しているうちのどのペンを失くしてしまったのかが特定できない状態⇒“新しい情報”であることを指しています。
▶一方、次の文では『The』が「pen」の冠詞として使われています。これは「失くしてしまったペン」について既に会話に触れているため、聞き手側は「ペン」と次の文で言われてすぐに「話し手が失くしてしまったペン」と認識できる状態を指します。

2. 聞き手側にとって特定可能な情報について話す時

上述の項目iの内容と少し被りますが、話し手側・聞き手側の両方が把握していること・もの・場所などの名詞には冠詞『the』を使います。上述では「一度触れた名詞を会話で2回目以降に触れる時」と説明しましたが、例えば話し手側も聞き手側も「以前触れた内容、最近のお互いの会話の中心となっている話題」など、直前に会話で触れていないことやものでも、「お互いが理解している状態」のことや物に対しては『the』を冠詞として用いるというルールがあります。
例:A 『Hey, I saw the girl walking with a guy on the street last night.』 (なあ、俺昨日の夜あの娘が男と歩いてるの見かけたんだよ。)
B 『Are you kidding me? Oh no…』 (冗談だろ?マジかよ。。。)
▶このAとBの2人の会話から読み取れることは、

①『the girl(あの娘)』について2人とも既に誰の事だか把握している
⇒もしもAが『a girl』と言っていたら、『a』は名詞を特定していないため『1人の女の子』ということしかBに伝わらず、Bは「Who was she?」とその女の子を特定するために情報を聞いていく必要があります。

②『あの娘』が一緒に歩いていた『男』については知らない
⇒『a guy』は「1人の男」という情報でしかないため、聞き手側はそれ以外の情報を持ち得ていないことがわかります。

以上が、日本人が使い分けを間違えやすい『a』『the』の使い方です。
これから説明する項目iiiは使い方を理解する、というよりはどの種類の名詞には冠詞『the』がつくのかを覚える、という意識でご覧ください。

3. 固有名詞について話す時

『固有名詞』といっても、「人の名前(Yuki, Satoなど)」、「ofのつかない都市名(Sydney, Tokyoなど)」などは『the』を冠詞として伴いません。『the + 固有名詞』が成立する条件は数えきれないほど存在しますが、以下は最小限覚えておくべきルールなので是非覚えて下さい。

◆世界に1つしか存在しないもの
例:the earth, the sun, the moonなどの惑星、the president(大統領はその国に、社長はその会社に1人しか存在していないため)

◆ホテル、映画館、博物館、美術館などの公共の建物
例:the Ritz-Carlton(リッツカールトン)、the British Museum(大英博物館)、the Opera(オペラハウス)

◆海、川、世界的に数名な湾、砂漠・山脈など
例:the Pacific Ocean(太平洋)、the Amazon(アマゾン川)、the Sahara(サハラ砂漠)

覚えるべきもの、と説明しましたが、基本的に誰でも簡単に『特定することができる』というポイントを押さえていれば、『a(an)』がつくのか『the』がつくのかを簡単に見分けられるでしょう。

おわりに

『冠詞』は品詞の中でも特に間違えやすく、多くの人が『a (an)』と『the』の使い分けを理解していないように見られます。それにも関わらず『冠詞』だけを集中して勉強する人や、『冠詞』を徹底的に教えてくれる学校もきっと少ないはず。ですが、『a(an)』『the』の使い方を正しく理解し、ライティングやスピーキングで正しく使い分けることができたら周りと差をつけることができるほか、英語をなんとなく、ではなくネイティヴレベルで理解できるレベルに近づくはずです。

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