モデル・イラストレーター五島夕夏の      ワールドアベニュー留学相談体験レポート
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英語の勉強法

みなさんは、「英文契約書」を目にしたことがありますか?英文契約書の中には通常の意味とは異なった意味を持って使われている語彙や、独特の言い回しを見つけることが出来ます。今回はその「英文契約書」に多く見られる英語表現を通常の意味と比較しつつ、適宜解説を加える形をとりながら、紹介したいと思います。

英文契約書中に見られる日常語と異なる使い方をする用語

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まず、契約書冒頭の契約締結の目的を記載する部分で、WHEREAS (すべて大文字による記載)から始まる個所があります。ここは通常、WHEREAS条項とかWHEREAS文言と呼ばれています。契約締結の目的を記載する際に使う語彙ですが、この単語自体は特に意味がありません。次に、同じく契約書冒頭に見られる語として、hereinafterをはじめとする、here-とthere-を接頭辞として使った語彙を多く見かけます。hereinafterは“in (and) after this contract / agreement”の意味で、「本契約においてこれ以降」となり、通常は「(これ)以降」と訳されます。

 

例) WHEREAS, the Buyer desires to purchase a certain kind of XXX products, as hereinafter specified, and, WHEREAS, the Seller is a distributor of XXX products produced by the Seller, and desires to sell such products to the Buyer.
 
買主は、本契約において特定されるXXXの製品を購入することを希望しており、売主は、自ら製造するXXX製品の販売店であり、買主に対し当該製品を販売することを望んでいる。

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次に、英文契約書のカギの一つとなる単語、considerationがあげられます。通常は、動詞considerの名詞形として、「考慮」の意味で用いられますが、英文契約書中では、「約因」と称されます。「約因」とは、当事者間の譲歩の交換という意味で、ここでいう譲歩とは当該合意がなければ、本来果たす必要のない義務を果たすということになります。簡単に言えば「対価」あるいは「見返り」ということになります。英米法においては、契約は“give and take”の関係でなければならず、日本では、ギフト (gift)は「贈与契約」という契約になり得ますが、英米法においては、捺印契約(deed)によらなければ契約になりません。
 

例) NOW, THEREFORE, in consideration of mutual agreements contained herein, the parties hereto agree as follows.
 
そこで、本契約に含まれる相互の合意を約因として、両当事者は以下の通り合意する。

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shallは英文契約書を読み解く上でのキーワードの1つです。通常は疑問文の“Shall I~?” または、“Shall we~?”の形で使いますが、英文契約書をはじめとする法律文書の中では、肯定文または否定文で、「義務」・「強制」・「将来の約束」を表します。概念としては、mustに近いものがありますが、現在でも多く使われているのが実情です。
 

例) The Seller shall deliver the Products to the Buyer on or before 30th of November 2016.
 
売主は買主に対して本件商品を2016年11月30日までに引き渡さなければならない。

同様にshallを使ったものとして、“shall be deemed”の連語も良く見られます。これは、「~とみなす」と訳されます。
 

例) Electricity shall not be deemed to be property.
 
電気は財物とはみなさない。

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これは、日本の民法第543条「履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」と同じ考え方で、債務者の責に帰すべきでない後発的不能の意味で使われます。

英文契約書中に見られる注意すべき表現

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1) made and entered into「(契約書が)締結された」

英文契約書によく見られる英語表現に二重語 (doublets)というものがあります。この他に、null and void「無効な」、any and all「すべての」等があります。また、give, devise and bequeath「与える、遺贈する」などの三重語 (triplets)もあります。こうした語はその中の1語だけで意味をなしているにも関わらず、こうした形をとっています。

同様に、一般の文書並びに英文契約書に見られる複数の語からなる表現には以下のものがあります。

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2) fail「試みたが失敗した」、「努力したができなかった」

これは、大変基本的な単語ですが、特にForce Majeure (不可抗力)に関しての条項で問題になります。たとえば、fail in performance を「履行を怠る」と訳してしまうと、「(出来るのに)やらなかった→サボった」というニュアンスになりがちなので、気を付けないといけません。
 

例) Neither party shall be liable to the other party for any delay or failure in the performance of its obligations under this Agreement if and to the extent such delay or failure in performance arise from any cause or causes beyond the reasonable control of the party affected (hereinafter called the “Force Majeure.”)
 
いずれの当事者も、本契約上の義務の履行が遅滞しまたは履行ができなかった場合、当該遅滞または不履行が影響を受けた当事者の合理的な制御を超える事由(以下「不可抗力」という。)により引き起こされた限度において、相手方に対し責任を負わないものとする。

3) guarantyとwarranty

どちらも一般的には「保証」と訳されますが、英文契約書中では違いがあります。guarantyは「他人の金銭債務保証」で、warrantyは「製品の品質保証」として使われます。
 

例) XXX shall guarantee the minimum monthly payment of $1,000 to A as an Legal Advisor.
 
XXX社は、法律顧問報酬としてAに月額最低1,000ドル支払うことを保証する。
 
The warranty on the Car shall be 5 years from the day of purchase.
 
本車両の品質保証期間は購入日より5年とする。

注意すべき原則

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最後に、契約交渉時におけるgood faithという概念について触れます。この考え方は、日本を含む大陸法 (Continental Law)系の国に認められているもので、英米法には存在しません。(in) good faithは日本の民法で規定されている、「信義・誠実の原則に従って」と解釈されていますが、英米法では、Parol Evidence Rule (口頭証拠排除の原則)に基づく概念であり、「契約に記載されている条項は誠実に守る」ことを意味すると考えられています。

以上、単純に辞書を調べただけでは意味が分かりにくいものから、英文契約書独特の言い回し・考え方に至るまで様々な表現があることが分かりますね。時代の流れを考えた時、これから次第に英文契約書の需要も高まってくるでしょうから、少しずつ契約書の文言にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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