留学や観光で人気が高い国といえば、オーストラリア。日本の約20倍の国土を持ち、世界遺産や大自然が広がる国立公園に恵まれた国です。
そんなスケールの大きなオーストラリアを存分に楽しむためにも、ぜひ車で出かけてみたいものですね。ただ、海外で運転することに対して敷居が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。実はオーストラリアは、例えばアメリカと比べると日本人にとって運転しやすい国なのです。今回は、オーストラリアで車を運転するために知っておきたいことをご紹介します。
これさえ知っておけば怖くない!オーストラリアの車・レンタカー事情まとめ
1. オーストラリアで運転するために必要な運転免許証とは?
旅行や短期滞在する場合
オーストラリアで運転するためには、旅行者や短期滞在の方であれば国際運転免許証を日本で取得することが必要になります。国際運転免許証(行政機関によっては国外運転免許証)は、日本の運転免許証保有者が日本以外の条約加盟国で運転することを可能にする証明書です。国際運転免許証の有効期限は1年間とされていますが、オーストラリアでは入国後3ヶ月しか有効とみなされませんので注意しましょう。
申請するには、住所地の運転免許試験場や警察署(免許書交付サービスを提供している署に限る)に下記の証明書類を持参し申請します。
● 顔写真(縦5cm×横4cm)※諸条件あり
● パスポート及び渡航を証明する書類(航空券やビザ書類)
国際運転免許証を即日交付してくれる行政機関もあれば、日数を要する場合もあるので十分に余裕をもって申請することをおすすめします。
管轄している行政機関は都道府県によって異なるため、自分が居住している行政機関のWEBサイトを事前に確認の上、申請に向かいましょう。
ワーキングホリデーや学生ビザで長期留学する場合
上述した通り、国際運転免許証はオーストラリアでは渡航日から3ヶ月間しか有効期間がないため、ワーキングホリデーや学生ビザなどで長期留学される方は、オーストラリアの運転免許証を取得する必要があります。
オーストラリアでは、州によって運転免許証の取得方法が異なりますが、今回は日本人に人気の高いシドニーのニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州での運転免許証取得方法をご紹介しましょう。
NSW州で運転免許発行を管轄しているのは、Roads and Maritime Services(RMS:旧RTA)と呼ばれているサービスセンターです。シドニーの中心街にも数カ所RMSのオフィスがありますので、最寄りのサービスセンターに向かうのがよいでしょう。
申請の条件としては、6ヶ月以上連続でNSW州に滞在していることです(パスポートの入国/出国スタンプが確認されます)。また、日本の運転免許証を認定されたCRCという翻訳機関で事前に翻訳する必要があります。他にも住所を証明する書類(現地の銀行ステイトメントなど)やパスポート、日本の運転免許証原本が必要ですので忘れないように持って行きましょう。
注意したいのが、申請にあたり日本の運転免許証がRMSの担当者によって裁断されてしまうケース。必ず裁断しないようにお願いしましょう。また、すべて英語での対応が必要となりますので、自信がない場合は英語力のある友達と一緒に行くことをおすすめします。
なお、州によっては日本の運転免許証を定められた機関で翻訳したものがあれば、運転が可能となるケースもあります。
2. オーストラリアでレンタカーを借りるには?
オーストラリアの各主要空港には、国内・国際線ともにグローバルに展開しているレンタカー会社のカウンターが設置されています。
レンタカーの借り方は日本とそれほど違いはなく、レンタカー会社のWEBサイトや旅行社などを経由して申し込みを行い、現地で受け取るという方式が一般的です。予約時に車種や希望するオプション(チャイルドシートやカーナビ等)を選ぶことも可能です。
2015年5月現在では、HertzおよびAVISというレンタカー会社が日本語のWEB予約サイトを用意しています。英語に自信が無い方は、この2社を参考にしてみると良いでしょう。
レンタカーの基本的な受け取り方法まとめ
2. 当日にカウンターで必要書類に記入後、鍵と車両の受け取り
3. 返却前にガソリンを満タンにする
4. 返却カウンターにて鍵と車両の引き渡し
空港にはカウンターを持っていないローカル(市街地でサービスを提供)のレンタカー会社もあり、空港でレンタルするよりも安く車を借りることができます。ただし、ルールなどが細かく、予約専用のWEBサイトも無いことが多いため、英語力に自信がある方にのみおすすめできる方法です。
3. オーストラリアの国産車って?
オーストラリアでは日本車(トヨタ・ホンダ・日産・マツダ・スバルなど)をはじめ世界各国から自動車が輸入されています。そのため、レンタカー会社の中には、日本車のオプションを用意しているところもあります。
ただ、オーストラリアにも「Holden」というライオンのマークが特徴的な国産自動車メーカーがあるのです。日本ではあまり馴染みのない自動車ブランドですが、車が好きな方はせっかくの機会なので、オーストラリアならではのHoldenを試してみるとよいでしょう。
4. オーストラリアの交通ルールとは
日本人には安心の右ハンドル・左側通行
オーストラリアは、日本と同じく右ハンドル仕様の車で、左側通行の交通ルールが導入されています。これはイギリス流の交通ルールを導入している国の特徴で、隣国ニュージーランドでも同様です。一方で、アメリカを代表とする国では、左ハンドルで右側通行となりますので注意しましょう。
気をつけたいランナバウトの走り方
日本人にはあまり馴染みのないオーストラリアの交通ルールが「ランナバウト」です。
大きな円になっている道路で信号なしに左折や右折を可能にする仕組みなのですが、実際に動画を見て交通ルールを事前に把握しておくことをおすすめします。
日本人がやりがちなのが、感覚的に左側を優先してしまうことです。ランナバウトでは自分より右側の道路から侵入してくる車が優先となりますので注意しましょう。
時間によって速度制限が変わるスクールゾーン
オーストラリアで厳格に守られているのが、スクールゾーンによる速度規制です。
スクールゾーンとは、児童が通行する可能性のある時間帯に学校周辺の道路に対して課される速度制限規定のことです。オーストラリアの主要幹線道路は時速60〜80キロメートルの速度制限が設定されていますが、スクールゾーンでは40キロメートル以下になります。
また、スクールゾーンには速度測定カメラが設置されていることが多く、速度制限を超えたスピードで運転していると、容赦なくカメラで撮影されて罰金が請求されますので注意しましょう。
信号に関係なく左折可能な交差点が多い
オーストラリアでは交通量の多い主要幹線道路でも左折車両専用レーンが設置されています。信号に関係なく左折が可能なのですが、必ず交通の流れを自己責任で確認してから左折するようにしましょう。
余談ですが、NSW州のドライバーは気が短い人が多く、左折専用車線でもたついているとクラクションを鳴らされることもよくあります。ただ、慌てると危険ですので、自分のペースで左折するようにしましょう。
侵入した瞬間に罰金!?バスレーン(バス専用車線)
広大な土地を持つオーストラリアでは、バスが主な公共交通機関として機能しています。
そのため、高速道路・一般道路ともにバス専用の車線が存在しています。地面が赤色に塗られていることが多く、一目でわかるようになってはいますが、現地の人でもうっかりバス専用車線に侵入してしまうことがあります。
そうなると罰金はもう避けられないので、今さら慌てることはせず、バス専用車線から安全に離脱できる箇所を探しましょう。焦って道を逆走してしまったりすると大変危険なので、絶対にしてはいけません。
5. オーストラリアの高速道路にもETCがある
日本の高速道路もETCが普及していますが、オーストラリアもETCに似た無人課金システムに置き換わっています。レンタカーにはあらかじめ装置が付属しているものもあれば、付属していない車もありますので、確認するようにしましょう。
なお、日本と違い、料金ゲートには課金時に開閉する通行バーはありません。つまり、課金装置がなくても通行は可能なのですが、申告しない場合はペナルティ料金が加算された上で請求書が届きますので注意しましょう。
もし、課金装置がないまま料金所を通過してしまった場合には、管轄している道路交通局の専用ダイアルやWEBサイトから申告することによってペナルティを回避することができます。各州によって名称や連絡先が異なるので、高速道路を使用する可能性がある場合は各州の交通局のサイトを確認するか、レンタカー会社に確認するようにしましょう。
6. もしもオーストラリアで交通事故の当事者になってしまったら
不幸にもオーストラリアで交通事故の当事者になってしまったら、まずは落ち着いて安全な場所に車を停止させましょう。
その後、安全を確認した上で、事故を起こした状況を携帯のカメラ等で記録し、相手の身分証明書を必ず控えるようにしましょう。保険請求や示談交渉においては、写真などの証拠が残っていることが大切です。また、物損被害が大きい場合や人身事故の場合は、警察および救急車(000番号)に連絡しましょう。
郊外を走行する場合に多いのが、カンガルーなど野生動物との衝突事故です。1996年〜2005年でNSW州とキャンベラで発生した5,000件の事故のうち、実に2,100件がカンガルーとの衝突事故だと報告されています。
カンガルーは種類によっては人間ほどの体重があるため、場合によっては衝突事故で命を落とすこともあります。特に夜間を走行する場合は十分に注意しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。いろいろと知っておくべきことはありますが、日本の交通ルールと近いオーストラリアであれば、事前に予習さえしておけば大丈夫。海外での初運転にもチャレンジしやすい国といえます。オーストラリアでのカーライフを十分に楽しみましょう!
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