健康食品として注目されているマヌカハニーですが、すべてニュージーランド産であるということ知っていましたか?はちみつの原料となるマヌカは世界中、どこを探してもニュージーランドにしか存在していません。厳密に言うと、オーストラリアの一部地域でも生育していますが、製品として加工されるほどの量はないため、市場に出回るものは基本的にニュージーランド産です。マヌカはニュージーランドの原住民であるマオリ族に古代から愛用されてきました。古来から人々の生活を支えてきたマヌカの健康効果と歴史について説明します。
ニュージーランドだけに生育するマヌカのはちみつ
マヌカハニーはマヌカという木から取れるはちみつのことです。あまり聞き慣れない名前の木かもしれません。冒頭でも説明したとおり、マヌカを日本で見ることはできません。世界各国、どこを探し回ってもニュージーランド及びオーストラリアの一部地域でしか生育が確認されていません。つまり、マヌカハニーとして販売されているはちみつはすべて、ニュージーランド産100%のマヌカが使用されています。
マヌカはフトモモ科の常緑低木で、薄い桃色をした花を1ヵ月程度咲かせます。同じフトモモ科の植物にはグァバやクローブ、ユーカリなどがあります。マヌカはティートゥリーと呼ばれることもあるのですが、この名前がややこしいので要注意です。アロマオイルやアロマテラピーに興味がある人であればティートゥリーという名称を一度くらい聞いたことがあるはずです。ティートゥリーは殺菌効果があるとしてよく知られていて、スパイシーだけど優しい香りが人気の精油です。ですが、精油に使われているティートゥリーとマヌカは別の植物です。どちらもティートゥリーという同じ名前で呼ばれているのに違う植物というのは不思議ですよね。同じ名前で呼ばれている理由はマヌカが発見された当初、ティートゥリーとの区別ができず、同じ植物と考えられたからだと言われています。学名ではマヌカをLeptospermum scopariumと言い、ティートゥリーをMelaleuca alternifoliaと言います。マヌカとティートゥリーを区別したい場合は学名を確認しましょう。
はちみつの王様といわれるマヌカハニーですが、他のはちみつには含まれていない2つの成分が含まれています。シリング酸メチルという抗酸化物質とメチルグリオキサールという抗菌物質です。他のはちみつには含まれていない天然の成分なので、若々しさを保ちたい美容愛好家の間では長年注目されてきました。次に紹介するマオリ族との歴史について理解すれば、マヌカハニーが愛用され続きてきたことに納得がいくはずです。
マヌカハニーとマオリ族の歴史
マヌカという言葉はもともとマオリ族の言葉です。葉や木がもつ治癒効果から「癒しの木」の意味を持つマヌカという名前がつけられました。マオリ族は紀元後700年あたりからニュージーランドの大地で暮らし始めたと言われています。かなり初期の段階からマヌカを治療に使用し始めていたようです。例えば、胃が痛くなったときに、木の皮をぐつぐつと煮込み飲んだとされています。感染症を患い、お腹を下した時には新芽をよく噛んで飲み込む風習があったとされています。
マオリの人々が築いてきたマヌカの治療法は現在も有効なのでしょうか?結論から言うと、マヌカの健康効果は医学的にも根拠があるとわかっています。しかし、科学的に証明されて注目を集めてから10年も経っていません。現代文明がマヌカと出会うのは300年以上昔の話ですから、ずいぶんと時間がかかりました。ことの始まりはオーストラリア大陸を発見したジェームスクックがニュージーランドに上陸した際、マヌカの葉を発酵させて飲んだこととされています。船での航海は食料が限られており、胃の調子を悪くする乗組員が多くいました。ニュージーランドで発見したマヌカを発酵させたお茶を飲ませることで、胃の具合が良くなったそうです。
世界中の原住民には独自の風習があり、その中の多くは科学的根拠がないものですが、マヌカの場合はそうではありませんでした。マオリ族の独特な風習として利用されていたわけではなく、実際に健康効果があったからこそ西洋人にも注目されたのでしょう。その後、西洋人がミツバチを使ってマヌカのはちみつを栽培するようになりました。オセアニア大陸にはもともとミツバチはいないので、商用に持ち込んだということです。西洋人の産業化によってマヌカハニーを食べる習慣が始まりました。マヌカを生活に活用し始めたのはマオリ族の文化と西洋人のはちみつ産業が合わさって開発されたのがマヌカハニーです。
マヌカが育つニュージーランドの魅力
マヌカはなぜニュージーランドだけで生育する植物なのでしょうか。それはニュージーランドが他の国にはない独自の自然を育んでいるからです。もともとニュージーランドはオーストラリアと同じ大陸だったといわれています。ゴンドワナ大陸と言われています。8000万年以上前のはるか昔の話なので、2つの国がくっついていたという正式な記録は残っていませんが、同じ大陸だったとされています。おそらく二つの大陸に別れた頃にマヌカが生育し始めたのではないでしょうか。
なぜかというと、マヌカは沿岸地域にある低地の森に生育しやすいと言われています。さらに、地面は湿っていないといけません。この3つの条件がちょうどよくそろっている地域は世界中探してもなかないでしょう。さらに、ニュージーランドは日本と同じような島国ですから、周辺諸国からの影響が受けづらい地形をしています。そのため、植物の進化も他の大陸からの影響を受けることがほとんどなく、独自の発展を続けてきました。
マヌカハニーはニュージランドの大自然が育んだ味
アカシア、レンゲ、菩提樹など、はちみつの種類はさまざまあります。市販されているところをなかなか見かけないマヌカハニーですが、他のはちみつにはない濃厚な味わいが特徴的なので一度試してみて欲しいです。実際に私もマヌカハニーを食べ続けていた時期があります。香りが強いので苦手な人もいると聞いていたのですが、試してみると水飴のような濃い甘みと香りがとても印象に残るはちみつでした。スプーンですくってそのまま食べるとまろやかな風味でおいしく楽しめます。おいしさを楽しみながら健康まで手に入るマヌカハニーはニュージーランドの独特な地形が生んだ自然のおいしさを堪能できますよ。
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