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Game of Thronesは、George Raymond Richard Martin 著のファンタジー小説シリーズ A Song of Ice and Fire (氷と炎の歌)を原作としたテレビドラマシリーズで、ドラゴンや魔法が存在する架空の世界を舞台に、多くの登場人物が登場します。
Game of Thronesというタイトルが示すように、7つの国の覇権争いを描いたドラマで、リアリティとファンタジーのどちらも徹底的に追求した非常に完成度の高い映画のような作品です。登場人物が大変多く、7カ国それぞれの性格や人物像、さらには他国との関係などを理解するまでには時間がかかると思いますが、イメージとしては日本の大河ドラマを見ているような感覚で、ロード・オブ・ザ・リング (The Lord of the Rings)やハリー・ポッター (Harry Potter)のようなファンタジーが好きな人にはウケること間違いなしです。
これまで、ヨーロッパを中心に多くの国で撮影が行われてきています。2011年春から放送が始まり、現在日本ではSeason 6まで見ることが出来ます。なお、物語はSeason 8で完結することも既に発表されています。
そして、もう一つ特筆すべき点に、全編にわたってイギリス英語が使われていることです。
それでは、Season 1の第1話 “Winter is coming” (冬来る)を題材に、様々な“使えるようになりたい”英語表現を見ていきましょう。
Game of Thrones(Season1)の第1話から学ぶ英語表現・英会話11選
英語表現・英会話①
They won’t trouble us no more.
(彼らが私たちを悩ませることはもうない→ケリはついた)
冒頭のシーンで聴かれる台詞です。文法的には“no more”ではなく、“any more”となるべきですが、これは強調の意味で使われており、Rolling Stonesの歌にも、I can’t get no satisfactionとあるように、会話ではこうした二重否定の表現は良く見かけます。
\英語表現・英会話②
Ten is too young to see such things.
(10歳はそんなことを見せるには幼すぎる)
母親であるキャトリン (Catelyn)が父親のネッド (Ned)に対し、「息子 (次男)ブラン (Bran)にそんなこと (斬首 (beheading))を見せるのはまだ若すぎる」と言っているところです。主語をTen-year-old boyと言わずに、Tenだけで表現したり、直訳では「若すぎる」としてしまいがちな部分ですが、そこを「幼すぎる」と訳すなど、簡単な表現の中にも学ぶべきポイントが隠れています。また、この母親の発言に対して、“He won’t be a boy forever.” (永遠に子供ではない→いずれ大人になる)と切り返すところもポイントです。
英語表現・英会話③
He’s coming this far North, there’s only one thing he’s after.
(わざわざ北の地に来るのなら、彼の目的は1つだな。)
場面は変わり、NedがCatelynにバラシオン家 (Baratheon)の王ロバート (King Robert)が来ることを告げた際のやりとりです。ここでは、前置詞afterの使い方を見てみましょう。このafterは「~のあとを追って、~を求めて」という意味で、“What is he after?”と言えば、「彼は何を狙っているの?」という意味になります。
英語表現・英会話④
Why’s your mother so dead-set on us getting pretty for the king?
(なぜ君の母親は王のために僕たちをそんなにきれいにさせるんだ?)
ロブ (Robb)、シオン (Theon)、ジョン (Jon)の3人が散髪をしてもらっているシーンの一コマです。ここでは、“dead”の副詞としての使い方に着目してみましょう。これは、“very”と言いかえることも多く、強調で、「絶対に」や「完全に」という意味で使っています。たとえば、“I’m dead tired.”と言えば、「メッチャ疲れた」という意味になります。
英語表現・英会話⑤
I’m not worthy of the honor.
(私はその名誉には値しません→身に余る名誉です)
RobertがNedを後任にすることを告げた際の台詞です。worthy (/wˈɚːði/)は「~に値する」という意味で、“behaviour worthy of praise”であれば、「賞賛に値する行為」となります。
英語表現・英会話⑥
I hear he’s more than earned it.
(彼にはそれがピッタリすぎると聞いたわ。)
I hear he’s more than earned it.
(彼にはそれがピッタリすぎると聞いたわ。)
娼婦のRosがラニスター家の次男ティリオン (Tyrion)のニックネームがImp (小鬼)であると聞いたという場面から、“earn”の使い方を学びましょう。このearnは一般的な「(お金)を得る」という意味ではなく、「(感謝・報酬など)を得るに値する(に足る)」という意味で、“more than earned it”とありますから、ここでは、「それがピッタリ過ぎる」と訳してみました。
英語表現・英会話⑦
Our sister craves your attention.
(姉が君の関心を切望しているよ。)
サーセイ (Cersei)の双子の弟であるジェイミー (Jaime)がTyrionのところにやって来て、「Cerseiがお前を探している」という場面です。ここでは、動詞“crave”を見てみましょう。「~を切望する」といったように何かを強く望むときに用います。
また、名詞形は“craving”で“strong desire”の意味になります。実際、このあとTyrionは“She has odd cravings.” (彼女は変わったものを欲しがる)と答えています。なお、“odd”は“strange”や“unusual”と同義です。
英語表現・英会話⑧
Isn’t he a gracious host?
(彼は気前のホストじゃないかい?)
ターガリエン家の末娘デナーリス (Daenerys)に対して、次男のヴィセーリス(Viserys)が話しかけるシーンで、イリリオ (Illyrio)から送られた織物 (fabric)の質の高さを話している場面で、“gracious” (優しい、親切)だ、と話しています。
英語表現・英会話⑨
You still slouch.
(まだ前かがみだな→猫背だな。)
と同じ場面です。ここでは、意外と言えそうで言えない「猫背」という表現が出てきています。“slouch” (/slάʊtʃ/)という単語は英語の説明としては、“stand, sit or move in a lazy way, often with your shoulders and head bent forward”となります。
英語表現・英会話⑩
The people drink secret toasts to your health.
(人々はあなたの健康を密かに祈って乾杯をしています。)
IllyrioがViserysに話しかける場面です。“toast”という単語は、カタカナにもなっている「トースト」という意味もありますが、ここでは、「乾杯」という意味で、“Toast!”や“Cheers!”と言ったり、“Bottoms up!” (直訳としては 「(ジョッキやコップの)底を上げる」)というオシャレな言い方もあります。ここでは、“drink toasts (単数形であれば、drink a toast)”で「乾杯をする」となります。「成功を祝して乾杯する」であれば、“drink a toast to your success”となります。
英語表現・英会話⑪
They cry out for their true king.
(彼らは真の王を求めているんです。)
10の直後に聞かれる台詞です。“cry out for”という動詞句は“need… very much
という意味で、“The company is crying out for fresh new talent.”であれば、「会社は若く・新しい才能を大いに必要としています」という意味になります。
最後に
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このドラマでは、グロテスクなシーンや性的なシーンも多く登場するので、この部分は好き嫌いが分かれる (実際R指定になっているので、15歳未満は見られません)個所かと思いますが、様々なイギリス英語に触れたい人 (“Yes”の代わりに“Aye (/aɪ/)”と言ったり、イギリス各地の英語が使われています)や、何よりファンタジーや歴史モノが好きな人には非常に楽しめる超大作と言っても過言ではないと思います。
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