観光英語検定ってどんな試験？海外に出るのが好きな人は試験を受けてみよう！

「観光英語検定試験」(Tourism English Proficiency Test)という試験を聞いたことがありますか？

この試験では観光や旅行に関する問題が出題され、空港や観光地での通訳や、英語で道案内をするなどの実践的なテストで構成されています。
1989年からスタートし、すでに25年が経過し、これまでに１級・２級・３級の受験者数は、延べ20万人以上に達しています。2020年に開かれる、東京オリンピックでの英語の需要も高まり、高校や専門学校や大学の様々な学科・学部等で、観光英語の授業や講座が行われており、注目されている試験の１つと言えます。また、海外旅行を楽しむ目的での受験も大いに有りですから、旅行が好きな人ならば、知っておいて損のない検定試験だと言えます。
さらに、ここ数年間の動きとして、社会人の語学教育やスキルアップのため、企業が受検料を負担したり、あるいは合格者の企業内での優遇等も行われている状況があります。 　

観光英語検定の各級のレベルってどのくらいなの?

以下、級ごとに内容・レベルを整理してみましょう。

観光英語検定1級

受験料
10,000円

試験時間
筆記1時間・リスニング50分

レベル
TOEIC600～860点、英検準1級～1級程度

試験内容
観光・旅行業に必要な実務英語で、以下の範囲での観光､旅行業に必要な実務英語

場所
各種受付(旅行代理店、航空会社等)、空港､駅､ホテル､レストラン､税関､劇場等

状況
苦情と謝罪､誤解と説明､要求と情報提供､予約および変更･キャンセル､電話応対､ガイド､病気､けが等

文書等
手紙､申込書､ファクシミリ､チケット等

専門知識
航空会社･旅行代理店･ホテル等で一般的に使用される略語や専門用語

その他
世界の国々の文化や習慣､国際儀礼(プロトコール)

観光英語検定2級

受験料
4,600円

試験時間
筆記1時間・リスニング30分

レベル
TOEIC470～600点、英検2級程度

試験内容
予約関連業務､ホテル関連業務､出入国に関する手続き､機内放送等のアナウンス､食事､通貨､交通機関等､観光･ 旅行業に必要となる基本的な英語および英語による日常会話

観光英語検定3級

受験料
3,600円

試験時間
筆記1時間・リスニング30分

レベル
TOEIC220～470点、英検3級程度

試験内容
曜日､時刻､数字(単位含む)、英語の掲示やパンフレット､地名､世界と日本の観光名所､日本の祭りや年中行事また民芸品､あいさつ等､観光･旅行に必要となる初歩的な英語および英語による日常会話

まず、観光英語の大きな特徴としてあげられることに、旅行や観光時のさまざまな場面での専門的な用語や言い回しなどが含まれた英語ということがあげられると思います。
そして、リスニングが各級に課されていることからも分かる通り、他の英語関連の資格と異なり、より実践的な「英語を介した接客」を意識した検定試験と言えるでしょう。

実際に観光英語検定試験2級の問題を解いてみましょう！

以下、一つの目安となる、2級の問題を例にその内容を見ていきましょう。筆記問題が50問、リスニングが40問の、合計90問からなります。

観光英語検定〜リーディング問題〜

1. 語彙確認問題（4択）

（Part A：5問） 英単語の意味に最も近いものを日本語で書かれた 選択肢から選ぶ問題です。
例)
observatory (観測所), porterage (運搬料)等

（Part B：5問） 日本語の表現に最も近い英語表現を選択肢から選ぶ問題です。
例)
「荷札が付いている」 (tagged)、「前金で」(in advance)等
 

2.会話空所補充問題

（Part A：5問）旅行の場面で想定される問答に対して、内容を 考え、選択肢から適切な回答を選ぶ問題。
例)
A: Good morning. Today’s special is a mocha cream maple latte. It’s $ 3.99. That’s a dollar off from the regular price. And our featured brew is a Blue Mountain blend. What can I get you?
B: Um… ________________________

a) Yes. I have a reservation for two nights. My name is Tanaka.
b) No, thank you. I have a ticket for admission that should still be valid.
c) Just a regular coffee would be great. Small and black.
d) Something in my size if you have it. I didn’t see any on the rack.
 
（Part B：5問）同内容を扱っていますが、Part Aに比べ、少しレベルがあがります。
　　
A: Would it be possible to get some substitutions for this evening’s meal? According to the menu information I just got, the main dish contains shrimp, which isn’t OK for one of the members of my group.
B: We don’t usually allow substitutions for group meals. What exactly is the problem?
A: ________________________ He gets a very bad rash if he eats it.

a) The size of the portion is a problem.
b) He doesn’t care for any type of vegetable.
c) His belongings were stolen from his room.
d) He is allergic to shellfish.
 

3. 適語補充（5問）

４(単)語が抜けているので、文脈に合うように、適語を補います。それぞれの空所の一か所のみに該当する単語が選択肢として与えられているので、それを選ぶ問題です。

Europe is the most (21) the world. Six of the top ten destinations in the world – France, Spain, Italy, the United Kingdom of Great Britain, Turkey and Germany – are located in Europe. Many of the tourists who visit European countries (22) like North America, Japan or increasingly, China.

(21) a) destination b) in c) popular d) tourism
(22) a) faraway b) places c) from d) come
 

4. 内容理解問題

（Part A：5問） 写真付きの広告を見ながら、内容に関する問題に答える問題です。正誤問題や空所補充問題などがあります。

（Part B：5問） Part A同様に、写真付きの広告を見ながら、回答する内容理解問題です。

（Part C：5問） Part A・B同様に、写真付きの広告を見て、それを基にした会話問題における空所補充をする問題です。抜けている個所はそれぞれ１語ずつです。

5. 知識問題

（Part A：5問） 英語での世界の地理を中心とした知識問題です。

As the political situation improves, __________, or Burma, can expect more visitors. This Southeast Asian country is bordered by India, Bangladesh, China, Laos and Thailand. The fantastic Bagan with its 4,000 temples or the old capital of Mandalay are places sure to become more popular.

a) Indonesia b) The Philippines c) Mongolia d) Myanmar

（Part B：5問） 英語での日本の地理を中心とした知識問題です。
__________, a former castle town, is located in the southwestern part of Aomori Prefecture, and has played a major role in the economic and political life of the region since __________ Castle was built in the 17th century. It is also famous for the Cherry Blossom Festival that is held in the park that now covers the former castle site. The Neputa Festival in summer also attracts a lot of tourists.

a) Hirosaki b) Kakunodate c) Oma d) Hachinohe

観光英語検定〜リスニング問題〜

リスニング問題は、内容のみ記載します。

6. <5問> 写真を最も良く描写している英文を選ぶ問題。

7. <5問> 絵や広告の内容を最も良く描写している英文を選ぶ問題。

8. <10問> 質問が流れてくるので、それに対する最も適切な回答を選ぶ問題。

9. <10問> 英会話を聞き、その内容に関する質問に対する最も適切な回答を選ぶ問題。

10. <10問>　英会話 (Part A)を聞き、その内容に関する質問に対する最も適切な回答を選ぶ問題とモノローグ (Part B) を聞き、その内容に関する質問に対する最も適切な回答を選ぶ問題です。

まとめ

全国語学ビジネス観光教育協会が公開している情報によると、平成27年10月に実施された試験の合格率は、2～3級でおおむね50～60％、1級はわずか2％でした。
英語力はもちろんですが、英語での地理や歴史問題、そして何より観光業に関しての専門的な言い回しを知っておく必要があります。

現在、６月下旬と１０月下旬の年２回、全国各地の会場で、観光英語検定試験は行われています。詳しくは全国語学ビジネス観光教育協会公式サイトの観光英語検定をご確認ください。

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