シドニーを楽しむイベント⑩メキシコの画家「フリーダ・カーロ」の世界を味わう絵画展!

水田 真梨
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オーストラリア留学 News

映画『フリーダ』でも有名な画家の絵画展「Frida Kahlo and Diego Rivera」が、シドニーで10月23日まで開催中です。眉のつながった自画像やカラフルで強いタッチの油絵を多く遺したフリーダ・カーロと、その夫でメキシコの国民的画家であるディエゴ・リベラの作品などを一挙公開。交通事故で負った障害、夫婦間の激しい愛憎、メキシコ革命など、激動の一生を駆け抜けたフリーダの熱いアート作品はオーストラリアでも大人気です。今回はその展示会の見どころやチケットの買い方などをご紹介します。

公式ホームページ:Frida Kahlo and Diego Rivera :: Art Gallery NSW

フリーダ・カーロって誰?

1907年、ユダヤ系ハンガリー人で芸術家の父と、メキシコ先住民族の血を引く母の間に生まれたフリーダ・カーロ。彼女は幼い頃に患った病気の影響や、学生時代に遭遇した瀕死のバス事故による障害を持ちながら、父から受けた継いだ芸術の才能や、持ち前の気丈で賢くユーモアたっぷりの性格で、メキシコ革命という大きな社会変革の時代を生き抜いた女性画家です。2002年に公開された映画『フリーダ』は日本でも上映され、一躍その名が知られるようになると共に、毒舌で情熱的なそのキャラクターが人気を呼びました。
22歳の時フリーダは、メキシコの国民的画家で21歳上のディエゴ・リベラと電撃的に結婚。アクの強い芸術家同士の結婚は、ディエゴの浮気症(妻フリーダの妹と関係を持ったこともあるほど)や、それに当てつけるように愛人を作ったフリーダの激情や、革命の時代という情勢も手伝って波乱続きでしたが、2人の愛は強く激しく、互いの芸術性を磨き合うものとなりました。一度離婚し、後に再婚するという一風変わった選択も、周りの目など気にしない⒉人ならではの生き方だったようです。
そんな⒉人がどんな作品を世に遺したのか、それを写真や映像と共に知ることのできる展示会が今年、シドニーにやってきました。現在も開催中のその展示会「Diego & Frida」の様子を覗いてみましょう!

人気のためチケットは入場時間制限付き!

シドニーにあるNSW州立美術館(Art Gallery of NSW)で開かれているこの展示会は、特別展のため事前に以下のウェブサイトからチケットの購入が必要です。

フリーダ・カーロといえばアートに興味がある人なら知らない人はいない人気画家ですので、展示会は混雑必至。そのため、チケットは入場時間を制限することで会場が混み合って作品が観にくくなることを防いでいます。

希望の日時のチケットを予約したら、当日のその時間にメール画面を美術館の受け付けで見せれば入場できます。ちなみに、希望日時の4時間くらい前にまだ購入することができましたが、受け入れに余裕があるかどうかは日程により、また会期終わり間近は混むと予想されるため、できるだけ早めの購入がオススメです。

眉のつながった自画像

フリーダは絵のモチーフとして自分自身を描く自画像をたくさん描いたことでも有名です。自画像と一言で言っても、人生のその時期の複雑な感情が反映されたその絵の数々は、どれも違った表情を見せてくれます。夫ディエゴとの夫婦生活での苦しみ、大事故による怪我の傷み、その後遺症で妊娠しては流産を繰り返したこと…。決して幸福な出来事ばかりではなかったフリーダの一生ですが、その絵には力強さがみなぎり、迫力すら感じさせます。メキシコの伝統的な衣装をまとった姿、自分の顔の中に夫の顔を描きこんだもの、頭に花をたくさん飾った自画像など、幅広い表現を楽しむことができました。
つながった眉という不思議な風貌は、メキシコでは男性的なものだそうです。その時代の女性の枠に収まりきらなかったフリーダは、自分の立場などにとらわれない自由な芸術性を全身で表現していたのかもしれません。
この展示会ではディエゴとフリーダの絵画40点の他、約50点の写真や映像、手紙なども観ることができ、⒉人の人生をまるごと知ることができます。
ちなみにオーストラリアの美術館では多くの場合、作品の写真撮影がOKなので、作品と一緒に写真を撮っている人などもいます。思い出に残したり、SNSで共有したりして楽しむのもいいですね。ただし、フラッシュ撮影は禁じられており、また一部撮影禁止の展示作品などもあるので注意してください。

会場には、フリーダの遺した言葉も・・・

「私は人生で2つの重大なアクシデントに苛まれた。1つは交通事故に巻き込まれたこと。もう1つは、ディエゴだ」
会場の壁に掲げられたこの言葉は、フリーダの人生を象徴しています。事故も結婚も、彼女に芸術家としての道を定めた大きな要素ですが、同時に彼女を生涯にわたって苦しめたものでもあったからです。それでいて悲壮というより、どこか面白がっている様子も感じられ、愛した人を「アクシデント」と呼ぶユーモアは彼女ならではのセンスだなと感じます。

ミュージアム・ショップもフリーダ色に!

会場を出て美術館内のショップに行くと、そこも色鮮やかな紙の花で彩られ、原色のフリーダの世界が可愛らしく再現されていました。ポストカードなどのグッズだけでなく、メキシコらしいカラフルな食器やファッションアイテムなども売られていて、おみやげに良さそうです。
この展示会の期間中、曜日によってはフリーダの世界を楽しむワークショップも開催されており(要予約)、フリーダが絵の中で再現したような頭につける大きな花飾りを作ったり、メキシコ音楽を楽しむことなどもできるようです。
会期は10月23日まで。世界中で愛されるフリーダの世界にシドニーで触れられる貴重なこのチャンスをお見逃しなく!

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