以前からOpalカードの紹介記事を何度か公開しましたが、いよいよOpalカードに大きな変更が見られ始めました。すでに今月から一部を除いて切符販売が大幅に削減され、Opalカードが必須化されております。本日はオーストラリアの新聞「The Sydney Morning Herald」が発表した最新情報をご紹介します。
Opalカードの詳細
2013年から、シドニーの公共交通機関において紙の切符にくわえて導入された「Opal card」。日本で使用されているSuicaのように、電車を使用する時は駅の改札を入出場する際、バスであれば乗り降りする際にOpalカードを専用の機械にタップ(かざす)することでOpalにチャージしてある金額から運賃が支払われるという仕組みです。なお、電車やバスの他にもライトレールやフェリーでも使用することができます。そのOpalカードですが、2016年に入ってから、NSW州の人々にもっと公共交通機関を多く利用してもらうこと、さらなるOpalカードのシステムの向上を目標としたOpalカードのルール改正がなされ、遂に9月の大改正を目前にこの8月、「片道切符」を除いたその他全ての切符が全面廃止されました。引き続き販売される片道切符も、その価格がOpalカードを使用する場合の運賃と比べ割高に設定されているため、NSW州、主に交通機関が発達しているシドニー市内ではOpalカードの義務化が、多くの切符販売を廃止したことによって明らかとなりました。
しかし、切符を廃止するということはOpalをNSW州の人々の間で浸透させ、且つ利用を統一化するための第一段階にすぎず、2016年現在、日本やイギリスのロンドンでは公共交通機関における電子カードはより高度で便利な機能を兼ね備えています。
例えば日本ではPasmoやSuicaはOpalのような非接触式ICカード機能の他、コンビニエンスストアや町のレストランなど、ありとあらゆるところでクレジットカードやデビットカードのようにPasmoやSuicaで支払うことができます。
13年前にすでに導入されていたロンドンのOyster cardも上述のように非接触式ICカード機能があり、地下鉄やバスに1日あたりの使用料金に上限が設定されているため、1日の公共交通機関の使用額がある一定の金額に達した場合、それを超える料金は引き落とされません。これらの機能に加え、現在Suicaのようにお店やレストランでの支払いをOysterカードで行える支払システムの導入をロンドン交通局が検討しているそうです。
オーストラリアでは「タップ&ゴー」システム(クレジットカードやクレジットカードを携帯と連携して、携帯をカードマシーンにかざすことで素早く支払いを行うこと)がカフェやスーパーマーケット、レストランなどの商業施設に搭載されていることはいわば当たり前になってきています。なので、バスや電車の運賃の支払いもクレジットカードや携帯で済ませるようにする方が、Opalカードを新たに発行する手間、販売促進する手間、使用可能にする手続きを行う手間など、ありとあらゆる事務手続きと資源の無駄を省くことになるのではないでしょうか。切符を廃止することにより森林伐採を減らすなどの利点が挙げられますが、Opal、及びにNSW州の交通機関に関する支払システムが日本やロンドンのICカードのように素早く且つ簡単なものになるにはまだまだ先の長い道のりとなりそうです。。。
Opalカードを効率良く使用する方法
1.できるだけピーク時間に利用するのを避ける!
シドニーでは朝の7時~9時、夕方の4時~6時30分(メルボルンでは朝の9時まで、夕方の4時~6時まで)をピーク時間とし、この時間帯の運賃は通常より割高であるため、この時間帯を避けることは節約になるほか、通勤・通学ラッシュを避けることにも繋がるため、ゆったり座りながら移動できることまでできるかもしれません。
2.可能な限り交通費が無料になるチャンスを使おう!
例えば大晦日など1年が終わるといったお祝い事の日や、電力の供給停止期間、停電などがあった場合、動くことが可能な交通機関は無料で運行することがあるようです。もしくは、スポーツ観戦をする際に買った入場券に観戦場所までの交通チケットが含まれていることがあるため、このような場合は自分のICカードを使う必要はありません。
3.Opalカードの新ルールを知っておこう!
来たる9月5日より、Opalカードが以下のようなサービスを開始します。
・違う交通機関(バス→電車、電車→バス→電車など)に乗り換える場合、乗り換え運賃が$2安くなる。(現
行では、1時間以内に同じ交通機関で乗り換える場合、移動した距離に沿った片道分の運賃のみの支払いと
なる。但し、フェリーや空港行きの電車は対象外。)
4.降りる前にカードをタップし忘れない!
当たり前のことですが、忘れてしまうと痛い出費となるのがOpalのタップし忘れ。改札を出る前、バスを降りる
前にタップをし忘れてしまうと、最後に使用した交通機関でかかる最大料金が課金されてしまいます。。(下図参照)
【まとめ】
この8月で片道切符を除く全ての切符販売の廃止、そして9月からは「1週間につき8回目以降のOpalにかかる
運賃の課金免除」のサービス廃止など、今年に入り大きなルール改正が施行された・されようとしているOpalカード。従来のサービスがとてもお財布に優しいと思えただけに、今回の改正をめぐって世間の声、そしてマスコミは連日とても賑わっています。ただ、SMHが指摘している通り、シドニーでは大きな変革と捉えられている今年のルール改正も日本やロンドンのICカードのシステムと比べてしまえばまだ発展途上。今回のルール改正がこれから先、Opalカードがより正確で誰もが簡単に使用することのできるICカードとして認められるその第一歩となるよう願うばかりです。
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