せっかくならキャリアを活かした留学がしたい! そんな思いを持っている方は少なくないはず。ということで今回は、留学をしながら現地の病院や施設で看護関係の仕事ができる「看護留学」についての対談企画を開催しました!
「勤務先のリフトを壊した」「患者さんに発音を叩き込まれた」など、現地でのハプニング満載の日々を語ってくれたのは、オーストラリアに1年間の看護留学をしていた2人の女子。現地で意気投合し、現在も友人関係の続く2人だからこその軽快なトークは、看護留学に興味がある方も、海外の医療に興味がある方も必読です。
目次
・病院食はビュッフェ?お見舞いにバルーン? ラフすぎるオーストラリアの「病院事情」
・NO残業で高収入! オーストラリアナースの夢のような「働き方」
看護留学をはじめた「きっかけ」
── なぜ、看護留学にトライしてみようと思ったんですか?
えみ:大学生のときにアメリカで2週間の看護研修に参加して、海外の医療に興味を持ったことが留学を意識し始めたきっかけかも。あとは、もう一度英語をしっかり学びたいって気持ちもあったので留学を決めました。
ゆみか:私は、英語がしゃべれるようになりたくて、ですね。でも、せっかくなら看護師の資格を活かしたいと思って、看護留学をすることに決めました。
── もともと英語力は?
ゆみか:えみちゃんは結構喋れたよね。
えみ:そうでもないよ! 最初は全然思うようにしゃべれなくて渡航してから結構必死で勉強した!
ゆみか:わたしも言葉の壁が厚くて大変でした。最初のホームステイ先でも“Good morning”くらいしか言えないし、患者さんにナースコールで呼び出されて、ABCDの発音を徹底的に叩きこまれたりとか……(笑)。
えみ:毎日がハプニングだらけだったね(笑)
病院食はビュッフェ?お見舞いにバルーン?ラフすぎるオーストラリアの「病院事情」
── オーストラリアと日本の病院で、一番違いを感じた部分ってどこですか?
えみ:病院食なんかは全然違いましたね。ビュッフェだったりとか。
ゆみか:ワインとか普通に出てたなぁ。
えみ:基本的には「シリアルに牛乳にりんご」みたいな感じで、日本よりは簡素なものが多かったかも。あ! でもあれはひどかったな……!
ゆみか:え?なに?
えみ:あの、小麦粉を……
ゆみか:あーーーーー!オートミールみたいなやつ!!
えみ:そう、それそれ! 小麦粉をぐちゃぐちゃに溶いたオートミールみたいな郷土料理、あれ忘れられない!!
ゆみか:あったねぇ~。向こうのお年寄りが好きなんだけど、それが不思議だったなぁ(笑)。
えみ:ミートパイはおいしそうだった。
ゆみか:確かにね。でも、基本的には日本の病院食のほうがきめ細やかな配慮がされてる気がする。
えみ:それはそう思った。日本の病院食のほうが良い気がするね。
ゆみか:あとさ、食事のことじゃないけど、色んな国のスタッフさんが多かったよね。フィリピンとか、ネパールとか。
えみ:確かにネパール多かったね。多国籍のスタッフと一緒に仕事できるのも、オーストラリアならではかも。
── 病室の大部屋の雰囲気なんかも、やはり開放的なんでしょうか?
ゆみか:うん、明るいですね。日本ってカーテン閉めてるイメージなんですけど、いっつも開いてるし、ずっといろんな話をしていて。部屋にシャワーが付いてるんですけど、「あんた先いいわよ」とか「下着とって」とか、とってもフランク。
えみ:あと、現地のお見舞いの品も変わってるよね。死ぬほどバルーン持ってくる人とかいて「パーティか!」って思った(笑)。
ゆみか:あったあった! あと、チョコ好きのおばあちゃんの家族が毎回ティムタム(オーストラリアで人気のチョコレートビスケット)を病室の引き出しに入れて行ってて。休憩時間になる度に、おばあちゃんがそれを1個ずつ出して私にくれるの(笑)。
えみ:ね、病院特有の暗さがなかった。糖尿病の患者さんに砂糖入りのコーヒーがぶがぶ飲ませるし(笑)。
ゆみか:うそ! 何それ!
えみ:病院の方針なのか、その看護師さんだけなのかはわからないけど、「これが最近の医療なのよ」とか言って、飲ませてて……。でもそんなこと聞いたことないし、大丈夫かな? って思ったけど……。
ゆみか:日本じゃありえないね(笑)。
えみ:うん、日本の看護の丁寧さを改めて感じた(笑)。
NO残業で、高収入?オーストラリアナースの夢のような「働き方」
── かなりパンチの効いたお話が多かったんですが、オーストラリアの病院での勤務もラフな感じなんですか?
ゆみか:そうですね。向こうの人って絶対に残業しないんですよ。帰る5分前には身支度始めて、スタンバイしてた。
えみ:そうだったそうだった! あとさ、患者もナースもやたらティータイムが多いの。患者さんは食事のほかに1日3回もお茶の時間があるし、ナースセンターにもクッキーの缶が常に用意されてた。
ゆみか:働きやすかったよね~。人によるけど、現地の看護師さんもゆるい人多かったし。
えみ:看護助手もね(笑)ゆるいといえば、ウェンディを思い出すなぁ……。
ゆみか:ウェンディ?
えみ:めちゃくちゃゆるい同僚。同僚っていっても、40歳ぐらいの恰幅のいいおばちゃんなんだけどね(笑)
ゆみか:ああ、その話してた気がするね。
えみ:リフター※のコードが絡まってたからほどこうとしたら、ウェンディが「そのコードは絡まっても大丈夫なやつだから」っていうから上げたの。
※リフター:患者をベッドに寝かせたり移動させたりするときに持ち上げる機械。オーストラリアの病院では導入が進んでいる
ゆみか:壊れるよね?
えみ:そう。私も止めればよかったんだけど、ウェンディがあんまり自信満々なもんだから、疑いつつも「ほんとに?じゃあ上げるよ?」って上げて。案の定切れたよね、「ブチッ!」って。それでもウェンディは「そのコードはくっつければいいから大丈夫!」って言ってて。
ゆみか:そんなわけないよね(笑)。
えみ:うん。もちろんくっつけて直るわけないから、とうとう宙づりの患者さんを前にウェンディがキレて“Fuck!”って叫んでたっていう(笑)。
── 少し突っ込んだ質問になりますけど、収入の面ではどうだったんでしょう?
えみ:すっごく良かったですよ! 平日はモーニング、アフターヌーン、ナイトシフトで、収入が違うんですけど、日本より良かったと思います。
ゆみか:派遣会社ごとにも違うんですけど、土曜日は32ドル(約3,000円)、日曜日は37ドル(約3,500円)、クリスマスとか年末年始は52ドル(約5,000円)で、この日に働けたらラッキーっていう感じでした。
えみ:自分では働きたい日に働けるってわけじゃないから、電話がかかってきたらラッキーだよね。
ゆみか:そうそう。シフトとかじゃなくて、夜電話がかかってきて「明日、行ける?」みたいな感じなんだよね。しかも、長く働いている人から順に電話がかかってきて、最後に新人に電話がかかってくるから、最初のうちはお仕事もらえたら超ラッキー。
えみ:そうそう。看護助手でも相当お金良いけど、ナースだとこの倍くらいで、ベースが40ドル(約3,800円)くらいって聞いたことあるよ。
── 日本と比べると、羨ましくなるくらい働きやすそうですね。
ゆみか:そうですね。できることなら、またオーストラリアで働きたいなぁ。
えみ:うん、チャンスがあれば働きたい。絶対に働きやすいもんね。
活かされている?看護留学生たちの「その後」
── 日本に戻られてから、留学の経験が活かされているなと思ったことって何かありますか?
えみ:そうですね。外資の会社から声がかかったりとか、今の職場に外国人の患者さんや海外の医療機関の方々が来たりするので、そういうときは役立っていると思いますね。
ゆみか:はい。私は今、空港の看護師として働いているんですが、英語を使う機会は多いと思います。
えみ:あとは、国際救護に進みたい人にはベストだと思います。医療英語が学べて経験にもなるし、キャリアとして言えるので。豪華客船の船内看護師とか、JICAとか国境なき医師団に行きたい人にとっては良いかもしれませんね。
2人が利用したワールドアベニューの「看護留学プログラム」
── 最後に、ワールドアベニューを使って良かったことはありますか?
ゆみか:東京でもシドニーでもビザ申請などの準備のことから、現地生活サポートのこと英語の勉強や、プライベートのことまでずっとお世話になりっぱなしだったよね。
えみ:そうそう。何の用もないのにオフィスに行ったりね!
ゆみか:LINEもやりとりしてて、友達みたいに何でも話せる雰囲気に救われたなぁ~。
ということで、今回は看護留学女子の留学体験談をお送りしました。
現地では色々な珍事件が勃発していたようですが、ハプニング含め、海外の医療に触れられるのは貴重な経験。看護師としてのスキルや英語力はもちろんですが、そのときに培ったガッツや仲間は今も彼女たちの財産になっているようです。
看護留学にちょっとでも興味が出てきた方は、まずは話だけでも聞きにいってみると良いかもしれませんね。
取材協力:
執筆:佐々木ののか/写真:飯岡拓也
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