比較的治安の良い国として知られるオーストラリアですが、その実態は?と気になる方が多いはず。オーストラリアは、多くの移民で構成されている多国籍国家である上に、先住民族アボリジニとの関係など様々な事情があります。シドニーの現地ニュースや安全情報の紹介と、実際に住んでみて分かった要注意地域など具体的な情報を紹介します。
シドニー生活、治安のホンネ。暮らして分かった安全事情
オーストラリアは言語や文化だけでなく治安の面で暮らしやすい国として有名で、市民の銃の所持も認められていませんし、紛争やテロなどとも縁遠いイメージです。では、オーストラリア最大の都市にして文化や経済の中心地・シドニーの治安の実態はどうなのでしょうか?
シティ中心部(シドニーCBD)は夜でも人が多い!
東京や大阪には及ばないかもしれませんが、週末の夜ともなればシドニーの市街地も人で溢れかえっています。シティの中でもダーリングハーバーのような有名観光地などは平日も夜遅くまで店が営業しており人出もあるため、外にいても危険を感じるような雰囲気は全くありません。個人的な感想としては、暗く人気のない場所に行かない限り、日本と全く変わらない気がします。
電車やバスの中で危険はない?
オーストラリアの公共交通機関(長距離のものを除く)では昼間でも基本的にアルコール摂取や飲食が禁止されており、これは車内を衛生に保ちトラブルを避けるため。また夜の電車では交通警察スタッフが乗車した車両が設けられ、何かあればすぐ対処できるよう対応策が採られています。
シティを離れると危険度が高まる?
シティを離れ、周辺地域の治安はというと、やはり人の目に付きにくい分だけ危険度は少し増すようです。昼間は問題ありませんが、夜は駅やバス停を降りたらできるだけ暗い道を歩かない、1人にならないよう注意するなどの気配りが必要です。どうしても帰りが遅くなってしまう場合は家の玄関前まで行けるタクシーを使うなど、男性でも最善策を採るという話をよく聞きます。数年前ですが、シティから電車で15分の距離の駅周辺で、まだ暗い朝4時に見知らぬ男に刃物を付きつけられ金品を奪われた人がいるという話を聞いたことがあります。
また、低所得者用の公共住宅が密集する地域は夜は特に近づかないほうが良いという意見も一般的です。シティ近郊だとRedfern(レッドファーン)などの駅周辺が該当しますが、この辺りは治安の悪さゆえに地価や不動産価格も他より上がりにくいそうです。オーストラリアは先住民族アボリジニを擁する国で、後からやって来た白人が支配体制を築く過程でアボリジニの人々を虐げ、社会的地位を低いものにしてしまった歴史があります。当時の名残りで、現代社会の中に居場所を作ることのできなかったアボリジニの人々が低所得者層に含まれることも。もちろん彼らの全てが低所得者や犯罪者ではありませんが、彼らに良くないイメージを抱く人もいるようです。
シドニーでテロの危険はある?
2014年末、シドニーのカフェで人質を取った立てこもり事件が発生。結果的に単独犯による犯行でしたが、犯人の言動と時勢を元に「イスラム勢力によるテロだ」との誤解が広がり、全く関係のないイスラム教徒の一般女性がシドニーの電車の中で「ヘジャブ(スカーフ)を取れ。電車を降りないと殺すぞ」などと脅されるという事件が。しかしオーストラリアの人口は白人の他、様々な国をバックグラウンドに持つ人々で構成され、街行く人の肌の色も服装も実に多種多様で、互いがそれを認め合う雰囲気があり人種差別には敏感です。ある白人女性がこの出来事を撮影しSNSに投稿、「私があなたと一緒に電車に乗ってあげる(#illridewithyou)。怖がる必要なんかないわ」という勇気ある発言が生まれ多くの人がそれに賛同を示し、ニュースにも大きく取り上げられました。
シドニーも大都市の1つとしてテロの可能性はあるかもしれませんが、国籍や宗教による誤解を良しとせず、個人と個人が手を取り合う土壌というのは有事の際にもきっと役立つものだと思います。
最後に
ちなみに日本の110番と119番にあたる電話番号は「000」で共通です。これ1つで良いので覚えておきましょう。
どんな都市にも言えることですが、危険な時間帯や地域を把握しきちんと避けるのが何よりの防犯対策です。安全情報は地元の人に聞くのが一番ですから、人との関わりも大事にすることを忘れずにシドニーライフを楽しんでくださいね!
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