WWOOF(ウーフ)の歴史からシステムまで徹底解説!

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オーストラリア留学 News

海外に一定の期間滞在する目的としてまず皆さんが思いつくのは外国語の語学力の向上がメインとなる『語学留学』だと思います。日本学生支援機構による調査によれば、2016年度の海外で留学をしている日本人学生の数は96,641人で前年度から12,185人も増加したそうです。2020年にオリンピックが東京で開催されることもあるのか、近年政府をはじめ数々の団体や組織がこうした海外志向を持つ学生を積極的に支援するようになり、若いうちから海外へ出て勉強をすることが挑戦的なことや夢のようなことではなくわりと身近な出来事のように感じられ、また挑戦しやすい環境がこれによって整ってきているのではないでしょうか。

一方、海外で外国語を学びながら『異なる文化背景を持った人々と働く』ことを目的に日本を旅立つ人々も多くなってきました。『ワーホリ』という言葉が浸透しつつあると思いますが、これは『ワーキングホリデービザ』というビザの名前からきており、ビザの有効期間内であれば対象の国で働いてお金を稼ぐことが認められている制度です。学生として滞在するとビザの条件で働くことを認めていない、あるいは働く時間を制限している国も数多く存在するため、海外での勤務経験を通じてキャリアアップを図りたい人や日本よりも賃金水準が高いオーストラリアのような国で稼ぎたい人と考える人も増加傾向にあります。

このように日本国内における海外への関心の高まりと受け入れる側の国のビザ制度の充実さは『海外に行きたい!』と願う人々の想いを実現しやすくし、またこれまで一般的に『留学=勉強』と描かれていたイメージを『留学=新たなことに挑戦をすること、またはキャリアップ』という新たな、そしてより多くの日本人の国際化を活発化させるような概念を構築したと言えます。

ここまで『日本国内における海外志向の高まり』『留学』『海外に滞在する目的・方法』についてお話ししてきましたが、今回のマガジン記事ではこのうちの『海外に滞在する目的・方法』に着目し、まだあまり日本では広く深く認知されていない『WWOOF』と呼ばれる一つの滞在方法について下記4点に着目し、細かく紹介していきたいと思います。現在世界60ヵ国を超える地域でWWOOFが活動を行っているため、その活動内容は国・地域によって異なります。したがって今回は一部オーストラリアに特化したWWOOFの活動紹介になってしまうことを予めご了承下さい。

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目次
1. WWOOFって何?
2. WWOOFに登録することの利点・覚えておくべき点
3. WWOOF Australia登録方法
4. ホストに送るEメールの例
5. おわりに
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※WWOOF正規代理店であるWorld Avenue Australiaが2018年1月25日時点の情報から作成しております。
最新の情報は、WWOOF公式サイトから確認をしていただくことを推奨します。

1. WWOOFって何?


『WWOOF = Willing Workers on Organic Farms』(※WWOOF JapanはWorld Wide Opportunities on Organic Farmsと紹介しているため諸説あり。)は1971年にイギリスで誕生した、有機農場とそこで農業を手伝いたい・学びたい・働く人と関わりたいという人々を募り、繋げる団体です。イギリスからオーストラリア、ニュージーランドといった英語圏で尚且つ農業が盛んな国へと発展した後、日本でも24年前に誕生しました。先にも触れましたが、現在では英語圏にとどまらず世界のあらゆる地域がWWOOF事務局を介して農業体験を行いたい人々の登録を受け付けており、国の数で言えば60ヵ国を超えるそうです。

WWOOF Japanによれば、WWOOFができた当初はその略名は現在知られている“Willing Workers on Organic Farms”ではなく“Working Weekends On Organic Farms”(週末の有機農業体験) という意味であったそうです。当初は週末だけ農家に足を運びそこで農業の仕事や農家の人々と触れ合うことを目的としていた活動が、現在では興味を持つ特に若者の数の増加に伴い体験できる国の数を増やすとともに体験できる日数も増えました。これが“Willing Workers on Organic Farms”と親しまれるようになった由来です。

WWOOFの最大の特徴は『直接の金銭のやり取りがない農業ボランティア』であること。オーストラリアにおけるセカンドワーホリビザ申請条件に必要なファームでの仕事と違い、WWOOFは簡単に言うと食費・滞在場所を提供してもらうかわりに人手が必要な農場の仕事を手伝い、都会での暮らしでは体験することのできない文化・教育的経験を積むことのできるボランティアです。給料などといったお金がボランティアする側とされる側で一切発生しないため信頼関係を築きやすいとも考えられています。

WWOOFでボランティアを始めるには

農業体験を行いたい国のWWOOF事務局を通してまずはWWOOFに会員登録が必須です(※国ごとにWWOOF事務局の要綱や規定が異なるため)。オーストラリアでWWOOFボランティアをしたい場合は以下のバナーをクリックしてオンライン登録、もしくはWorld Avenueのような代理店に行けば登録のサポートをしてもらえます。

↓登録は公式ウェブサイトから

WWOOF Australiaの会員プランは以下の通りになります。

  • 12ヶ月プラン AU$70
  • 6ヶ月プラン AU$50

※ガイドブックは12ヵ月プランのみの登録。オンライン/ガイドブック共に同じ金額。

WWOOFを利用する上で知っておくべき専門用語・ことがら

ホスト

WWOOFを介してボランティアを行いたい人を募る農場経営者、又は職業体験をさせてくれ、食事滞在場所などを提供してくれる側の人々。
近年では有機農家のみならず、学生向けに林間学校などを運営している自然学校、民宿など農業と異なる業種を半々で行うホストも数多く登録している。

ウーファー(WWOOFer)

WWOOFに登録してボランティア活動を行う人々。お金を稼ぐことを目的とせず、農業体験を通してかけがえのない経験やスキルを培いたいと考えWWOOFに登録した人々。

★ホスト/ウーファーともに共通している点はどちらもWWOOFという団体にお金を払って会員としての登録をしなければならず(※それぞれ会員費は異なる)、それぞれ仕事を手伝ってくれる人、経験を積ませてくれる人をWWOOF会員の中から探しているということ。

WWOOF Australiaのサポート内容

WWOOF Australiaに会員登録すれば次のようなサポートが確約されます。
 

■1日4-6時間、週5日間のボランティア

■ホストによる食事・滞在場所の提供

■ボランティア先で万が一起きてしまった事故などに対するAU$10,000の個人用保険

■WWOOFスタッフによるサポート

■月曜~金曜のオフィス営業日であれば滞在中のトラブルを速やかに対処してくれます。

■ホストの安全性

■WWOOFに登録する全てのホストはボランティアメンバーへの提供内容の質と、WWOOF Australiaが保持するガイドラインに従うことが義務付けられているため、安心して自分の条件に合ったホスト先を探すことができます。37年間の実績がそれを物語っています。

■1,400以上のホストとなる有機農場へのアクセス

■オーストラリアに数多く存在するファームのほとんどがWWOOFに登録しているため、効率よくホストを探すことができます。

2. WWOOFに登録することの利点・覚えておくべき点

WWOOFに登録する利点

■これまで培うことのなかったような新しいスキルを習得することができる!

■21世紀というこの便利すぎる発達がどんどん進むこの世の中で、一体どれくらいの人が農業体験を、しかも『有機農業』を体験したことがあると思いますか?WWOOFがホストとして募っているのは化学肥料や農薬を使用せずに農作物を栽培している有機農場であるため、銃器や機会を使う頻度が少ないことからかなりの重労働+多くの人手が必要です。もちろん農業体験を通して基本的な栽培スキルや農業に関する知識を得られることは間違いありません。それに加えてオーガニック野菜が人気を集めてきた今だからこそ、一体どのようにしてそういった種類の野菜が作られているのか、またどうして一般的な野菜よりも価格設定が高いのかなどを肌で感じることができるのではないでしょうか。

■その土地の文化を五感で感じ取り、学ぶことができる!

■高い志を持って日本を飛び出しても、その土地の人々と生活を共有することは意外にハードルが高いことなのです。その土地の言葉に慣れていないうちは尚更一緒に働くことのできる機会はきっと少ないでしょう。ですが、WWOOFは『農業経験を積みたい!』という人であればいつでも大歓迎!都市部では味わうことのできない超自然体なローカルの人々の暮らしぶりを間近で見て学ぶことができること間違いありません。

■また、ホストと一緒に生活をするためホームステイのように常にコミュニケーションを取ることが求められるでしょう。ホストはこれまでに多くのウーファーを受け入れている経験があるので、慣れない土地で生活することや言葉の難しさをできるだけ理解しようとしてくれるはずです。

■食費・滞在費がかからない!

■物価・家賃が高いオーストラリアにおいてWWOOFにおけるこのポイントは非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。食事も生活をする場所も全てウーファーが行うボランティアに対してホストが提供してくれるので、疲れた後に食事を準備する手間や家賃のことを気にする必要は一切ありません

WWOOFに関して覚えておくべき点

■給料が発生しないこと

■WWOOFはあくまでもホストとウーファーの間で金銭のやり取りが発生することはないので、無給のボランティアと認識しておくこと。WWOOF活動中の食費・滞在費がかかることはないとされているが、ホストがすぐに見つかる保証は必ずしもあるわけではないので現地でお金に余裕がある状態でいること。

■自力でホストを見つけなければならないこと

■オーストラリアでWWOOFを行いたい場合はWWOOF Australiaに登録しなければならないため、英語で書かれたガイドブックやオンラインの専用ページから自分で候補のホストに連絡を取って農業を体験させてもらえるか交渉しなければならない。やり取りは電話かメールになるので、意思疎通がはかれる程度の英語力はもちろん、コミュニケーション能力やホストが決まるまで何件も連絡を取ることができるガッツが必要不可欠。

■WWOOF活動で88日以上働いてもセカンドビザ申請対象にはならないこと

■オーストラリアにおけるワーキングホリデービザは、ビザ有効期間中に政府によって定められた特定の地域で農業など季節労働を実働88日以上行えばセカンドワーキングホリデービザの申請が認められていますが、WWOOF活動はたとえこの日数を超える農業を該当する地域で行ったとしても移民局が定める、給与明細票(Pay slip)のような労働・就労を認めるビザ申請書類がないため、セカンドビザ申請の必要条件として認められなくなりました(2015年8月31日からの施行)。そのため、セカンドビザ申請が目的でWWOOF活動を行おうとしている人は要注意です。

3. WWOOF Australia登録方法


先にも少しお話ししましたが、WWOOFの会員になるためには有料会員登録をWWOOF Australia公式サイトの会員登録ページから行う必要があります。登録方法については以下の手順を参考にして下さい。
 

① 公式サイトから12ヶ月プランか6ヶ月プランを選ぶ

上記リンク先にアクセスすると以下のような画面が表示されるので、WWOOF活動を行いたい人(= WWOOFer)はどちらか希望のプランを選んで“JOIN NOW”をクリックする。

 

② 個人情報の入力をして登録を完了させる

User NameとPasswordを忘れないようにメモしながら個人情報を入力していき、Registerをクリックする。



次の画面で支払いを確定させるとFAQページ(よくある質問ページ)と会員ページの使用方法、プロフィールページへと進みます。1月末からはリニューアル中の携帯アプリが使用可能になる見込みなので、オンライン登録で設定したユーザーネームとパスワードを使用してアプリにログインすることができるようになるなど、更に手軽にWWOOF Australiaにアクセスすることができるようになるでしょう!

4. ホストに送るEメールの例


さて、会員登録が完了したらいよいよホスト探しを始めましょう。ここからはリニューアル前のアプリで実際に使われていた検索画面を参考に、実際にどのようにホスト候補を見つけて連絡を取っていくべきかを見ていきましょう。後半では気になるホストへEメールで連絡取る時に役立つ例文をご紹介します。

① 『WWOOF Australia』のアプリをダウンロードする


 

② アプリ内のHOST RESEARCHに進む

会員登録時に登録したユーザーネームとパスワードを入力してログインすると、ホストを検索できるようになるなどアプリ内の機能へアクセス可能となる。ホストを検索するには下図内のHOST RESEARCHに進む。

 

③ 適当な情報を入れてホスト先を絞り込む

HOST RESEARCHへ進むと以下のような画面に切り替わる。操作方法は下図内を参考。入力が完了したらSEARCHをタップして先に進む。

 

④ 気になるホスト先を確認する

SEARCHをタップして次に進むと以下のような画面が表示される。興味のある地域の募集や紹介文の掲載があれば、タップをして詳細を確認する。詳細画面にはホストの連絡先(Eメールアドレス、又は電話番号)が記載されているので紹介文を全て読んだ上で連絡を取りたいと思ったらその連絡先にEメールの送信、もしくは電話をする。ホスト先のページには、お気に入りボタンなどもあるので、興味のあるところに目印をつけることができます。


 

⑤ 記載のメールアドレスにメールを送信する

行きたいところが定まってきたら、メールを送信します。時期によってはなかなか返ってこないときもあるので、複数の候補先にメールをしてみましょう。

下記はホストへ送るEメールの内容の一例です。あくまでも参考として自分がWWOOFに参加したい動機などを編集し、ホストに言いたいことが伝わりやすいシンプルな文章を構成することを心がけましょう。
 
 
例文メール
Dear ○○, (ホスト又は担当者の名前)
This is Hanako, female Japanese and currently living in Sydney.

I am looking for a lovely WWOOF host family.
Could you kindly reply me if you were available to accommodate me as a WWOOFer?

My personal detail is as shown below.

• Name: Hanako Sekai 【お名前】
• WWOOF Membership Number: i17/40517 (Expiry Date: 1st of January, 2019)
【WWOOFのメンバーシップ番号と有効期限】

• Date of Birth: 24/11/1986 【生年月日】
• Nationality: Japanese 【国籍】
• English Level: Pre-Intermediate 【お名前】
• Smoke: No 【お名前】
• Vegetarian: No 【お名前】
• Contact number: 0414 111 111 【お名前】
• Planned Period of Stay: 1-2 Months from the End of January 【お名前】
• Farm Experience: No 【お名前】

Note: I am currently studying English and working in Sydney; however, since I would like to experience Australian culture and really need to improve my communication skills in English, I would be happy to find a WWOOF host family who can talk to me a lot.

Could you tell me if you have other Japanese WWOOFers at your place at the moment since I would like to avoid them to make Japanese environments?

I am looking forward to hearing back from you.

Regards,
Hanako Sekai
 
 

赤字は変更する必要があるところです。
※最後のCould you〜の文は、日本人を避けて英語を伸ばしたい場合はそのまま使用してください。それ以外の方は消してしまって問題ありません。

5.おわりに


海外で滞在する方法の一つである『WWOOF』の歴史から具体的な内容、メリット・デメリットについてオーストラリアで体験する場合も踏まえてご紹介してきました。オーストラリアで農業体験といえばどうしてもセカンドビザ申請のため、もしくはお金稼ぎをするための場合が多いと思います。もちろんWWOOFは経験するのに時間・お金・体力を奏上以上に有する活動であることは間違いありません。しかし、『ボランティア』として労働力となって若い力の足りない地方へ出向きその代わりに食事と滞在場所を提供してもらえるという経験は一生のうちに必ず体験できることではないでしょう。さらにお金のやりとりがないからこそ農業従事者の仕事への態度、作物を育てることの難しさ、1日1日の時の流れの速さを間近で体感し、言語学習だけではない真の海外経験というものが積めるのではないでしょうか。
 
海外でボランティア活動を行いたい人、都会の喧騒から離れ異国の土地で農業を学びたいという意欲に満ち溢れた体力のある人には是非一生のうちに経験することをお勧めできる活動です。この記事を読んで興味を抱いた方は是非WWOOF Australiaの公式ウェブサイトにアクセスして登録を行ってみて下さい。

↓WWOOF Australiaの公式ウェブサイト

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