所変われば常識も変わります。今回は、オーストラリアで基本とされる生活習慣や作法をご紹介。例えば、料理の食べ残しはOK?NG? チップは要らないっていうけど実際どう? どんな風に挨拶すれば失礼がない?など、意外と誰も教えてくれない、小さいけれど重要なマナー。「郷に行っては郷に従え」の精神でマナーを覚えて、オーストラリア生活を思い切り楽しみましょう!
食事の食べ残し、OK?
日本では「出された食事を残すことは作ってくれた人に失礼にあたる」という考えが古くからありますよね。「食べ物を粗末にする」ということへの慎みも、食べ残しを避ける理由かもしれません。
ここオーストラリアでは、少々意外に思われるかもしれませんが、食べ残しを悪いこととする価値観が無いようです。レストランでも、自分に合った量を食べ、食べきれなかったら残す、というのが一般的。体の大きさも人種も国籍も宗教も違う人々が共存するオーストラリアでは、「違い」を食事の量の面でも認めているとも言えるでしょう。
ただ、食べ残したものを気軽に「お持ち帰り」が出来る点も日本と少し違います。日本だと「タッパーに詰めて持って帰るなんてちょっと気恥ずかしい…」というムードですが、オーストラリアでは、たいていの飲食店で持ち帰り用の容器を用意しています。つまり、持ち帰りはごく当たり前のこと。
「とても美味しかったのですが、食べきれないのでContainerを頂けますか?」と店員さんに声をかければ、「Sure!」と半透明のプラスチック容器を持ってきてくれるか、店員さんが容器に詰めて渡してくれます。
所変われば常識も変わる、の良い例ですね。
フードコート、片付ける?
ショッピングセンターにある大きなフードコート。最近は写真のようなちょっとオシャレなフードコートも増えてきています。日本人なら気になる、テーブルの上に放置されたフードの空き容器。でも、オーストラリアでは「放置」が正解なんです。
というのも、オーストラリアのフードコートには必ずテーブルを片付ける専任のスタッフがおり、カートを押してトレイなどを回収したり、テーブルを拭いて回っています。彼らが分別までしっかりしてくれるので、ユーザーは食事だけを楽しめばOKという、なんとも便利な仕組み。
もちろん、フードコートにはゴミ箱も設置されていますので自分で分別して捨てても良いのですが、自分で捨てようとしているとスタッフが飛んで来ることも。日本のフードコートとはちょっと違いますね。
会計時のチップ、必要?
「オーストラリアはチップがいらない国」と誰しも聞いたことがあるのでは。実際に、アメリカなどでは飲食店のウェイターやウェイトレスのお給料は低く設定されている代わりにチップでたくさん稼げる、と聞きますが、オーストラリアではチップを収入源にすることは無さそうです。
とはいえ、アメリカのように義務化されたチップ制度が無いというだけで、オーストラリアでチップを払うチャンスが無いかというと決してゼロではないんです。
というのもチップは元々「良いサービスをしてくれたスタッフのホスピタリティ」に対して、感謝の気持ちを込めて払うもの。オーストラリアでも、気持ちの良いサービスをしてくれてありがとう、と感じることがあればチップを払う人はたくさんいます。これは移民よりも、トラディショナルなちょっと品の良いオージーに多いように感じます。
高級めなレストランなどではカードで支払う際に「チップの金額を入力しますか?」と尋ねられます。もちろん「ノー」と言っても常識はずれではないのですが、素敵なサービスを受けた時にはチップという形で気持ちを返すという「サービスを受ける側のマナー」も覚えておきたいですね。
レディーファーストは常識?
オーストラリアはイギリス人による入植以降、キリスト教をバックグラウンドに持つ国。そうした国に共通している「レディーファースト」の習慣は、オーストラリアでも健在です。エレベーターなどが良い例で、男性は女性が乗り降りするのを待ってから自分も、という人が多く、初めはこれに戸惑う日本人も多いようです。
女性の側がレディーファーストに慣れないために応じずにいると、「なぜ?」と怪訝な顔をされることもあるほどだとか。郷に入っては郷に従え、と素直に応じるのも常識で、「ありがとう」とさり気なくお礼を言えばOKです。男性側がうっかりレディーファーストを忘れると、これまた「なぜ?」という怪訝な顔をされるのでお忘れなく。
「Hi」の次、何て言う?
店のレジでお会計をする時ですら「Hi, how are you?」や「Hi, how’s going?」から始まるオーストラリア。「Good. Yourself?」「Not bad. Thanks」などという会話が、知り合いでもない人と繰り広げられることに最初はびっくりしました。
買い物に限ったことではなく、電話口などでも開口一番まずこのやり取りなくして会話は始まりません。言うなれば、本題に入る前のワンクッションなのかもしれません。
このやり取りをするのが常識、ということは逆に、このやり取りをしないことは少し失礼で愛想が無いように聞こえてしまうこともあるということ。英語に慣れないうちは用件を言うだけで精一杯かもしれませんが、マナーとして「Hi」や「Hello」とセットの表現を自然に言えるようにしたいですね。
さいごに
覚えてしまえば簡単なオーストラリアのマナー。知らずに失礼な振る舞いをするより、きちんと知った上で人と接すれば、人間関係が広がりきっと楽しい経験ができるはず。その上で、知らないマナーについては恥ずかしがらずに人に教えてもらうのも良いコミュニケーションになることでしょう。世界中のさまざまな国から人が集まる多国籍国家だからこそ、それぞれに異なる常識やマナーを知るにも良いチャンスですね。
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