「日本にいる学生や、海外や英語学習に興味を持っている人達にもっと“留学”を身近なものに感じてほしい!」、「たくさんの日本人に海外に出て“日本を外国として見て”文化によって異なる考え方や慣習などを学んでほしい!」という思いから、現在も留学生としてオーストラリアのシドニーに生活している私の留学体験談を数回に分けてご紹介していくコラム【私の留学体験談】の第2回目。前回【私のシドニー留学体験談①】(https://ryugakumagazine.com/highschool/8545/)は、私がシドニーの大学に行くことを決意したきっかけや、私が留学をすることに対する周りの反応などについてお話ししました。今回は、そもそも何故シドニーを選んだのか、そして留学することが決まってから日本でどのような準備をしていたのか、また、出発前はどのような心構えでいるべきかについてお話ししていきたいと思います。
シドニーを留学先として選んだ理由
シドニーで留学生活を始める前まで家族でグアムに1度だけ旅行に行ったことしか海外に行ったことがなく、そもそも洋画や洋楽、海外の有名人に全く興味がなかったので“留学するならこの国がいい!”という意志がありませんでした。その代わり、“ネイティヴレベルの英語を習得する”という目標があったので、「ジャーナリズム」「言語学」など、学びたい分野の候補が特に強い大学がオーストラリアのシドニーにあり、オーストラリアの“条件付き入学制度”を使えば日本出発する前に行きたい大学を選んでその大学の入学枠を確保することができると知ったので、私の場合は「行きたい大学がシドニーにあるから」という理由でシドニーに行くことを決めました。
<条件付き入学制度とは?>
●英語力以外の入学条件(例:高校以上を卒業)を満たしていれば、語学学校や大学が求める規定の英語力を身につけることを条件に入学を許可するというシステム。
●また、オーストラリアの大学の多くは語学学校や専門学校を提携しているため、それらの大学附属の英語学校に入学申請をする段階で附属の大学に入学申請を行うことも可能。
●語学学校⇒ファウンデーション・ディプロマ(専門課程コース)と、それぞれの規定条件の成績を修めることによって入試試験を受けることなく大学に進学することが可能。さらに、専門課程コース1年間で取得した単位を大学の1年分の単位に交換することを認めている大学もあるので、これにより大学2年次に編入することも可能!
上記の理由の他にも、オーストラリアが長期留学に適している要素はたくさんあるのでいくつかご紹介します。
①出発してから4年間で大学を卒業することが可能
海外の大学に正規入学するにあたり、日本の大学入学制度のように“決まった時期に入試を受ける必要があるのか”、これが私の最初の疑問でした。当時の私は海外の大学を卒業したら日本に帰って就職するつもりでいたので、なるべく日本の大学に進学する同級生と同じ代で「新卒採用」してもらえるように、たとえ入学試験などがあっても留学生活4年間で大学を卒業できる制度があることが第一条件でした。アメリカやハワイ、イギリスが最初に候補先として思い浮かびましたが、オーストラリアには“条件付き入学制度”という、留学生にとってとても優しい制度があることを知り、迷わずオーストラリアの大都市、シドニーを留学先に決めたのです。。
②他の主要国に比べて治安が安定している。
留学する本人よりも家族の方が心配な点が留学先の治安ではないでしょうか。私もそこまで留学先の治安を留学先を選ぶポイントとして捉えていませんでしたが、私の母は「アメリカは銃社会だから怖い」と留学先としてアメリカはあまり賛成されませんでした。その点、オーストラリアは移民を受け入れるのに十分な教育・保険制度があるほか、教育機関も豊富にあるとのことだったので、18歳の学生が人生2回目の海外で初めての一人暮らしを行うのに適した国だったと、今更ながら感じています。(笑)
③日本との時差が1~2時間程度
ホームシックになってしまうから、とあまり日本にいる家族や友人と連絡を取ることは控えようと考えていましたが、今改めて、時差がたった1、2時間しかないのは連絡が取りやすく、里帰りなどでオーストラリア⇔日本を行き来する際はジェットラグの心配がないので非常に助かっています。
出発前の心構え~日本で準備したこと~
私のように、留学生活を始める前から入学する語学学校~大学が決まっている場合、あるいは留学生活を始めてから実際に自分の英語力に見合った学校を選んでいく場合のどちらでも、留学前に英語を勉強しておくことは必須です。留学生にまず必要な心構え、それは“留学≠海外旅行”ということです。留学先によって準備期間の長さ・テストの有無が異なるため、人それぞれ準備期間の長さも異なりますが、一般的に語学留学・大学留学の場合は出発までに6ヵ月~1年半ほどの時間があります。この長い準備期間に滞在国・地域の様々な情報を集めたり、文化について予備知識を入れることは非常に大切なことですが、私がとにかく取り組んだことは“英文法の習得・スピーキング学習・論文を書く練習”でした。まず、私が留学することを決意した瞬間に不安を感じたことは知らない土地で外国人と暮らすことよりも、100%英語で勉強をすることと、その勉強量についてでした。英会話スクールで2年程アメリカ人の先生に英語を教わっていましたが、それも週2日で授業もたった50分。そんな生活からいきなり周りに日本人がいない環境で朝~夕方ずーーっと英語で授業を受けることはできるのだろうか。。そんな想像をしただけで鳥肌が立ってしまいませんか?( ;∀;)
ただし、生活面の不安は実際に生活してみないと解消されない部分や、生活をして初めて感じられる文化の違いがあるのに対し、勉強面での不安は事前に解消されると考えられませんか?私はそう思い、近い未来の自分が少しでも楽できるように、少しでも自分の足しになるようにと準備期間を全て英語学習に費やしました。そして主に学習していた内容が先述の英文法、スピーキング、論文作成でした。英文法とスピーキングに関しては日本の英語の授業でも習うため、わざわざ留学のために勉強を始めなくても少なからず学習経験があるものだと思います。しかし、英語圏での学校全ての課題・スキルの要の1つとして必要とされているものが「論述・エッセイ」を書くことです。日本では大学入試に小論文を出題しているところや、“卒業論文(卒論)”は大学生活4年間を通して学んだことに関するテーマについて研究をしたり文献と照らし合わせながらテーマに沿って考えを述べる大学最後の大きな課題としてなど、このような論文が課題や宿題として頻繁に出されることは多くありませんよね。英語圏での大学では学部・学科によって異なりますが、ほぼ論文や研究レポートなどが課題の主体となっているため、論述文を書くことにあまり馴染みのない日本人留学生にとっては苦手分野になりうる課題でしょう。
だからこそ、留学する前に論述文を書く練習をし、“書いたことがある”という経験を得ておけば少なからず恐怖心や苦手意識はなくなり、それが自信へと繋がっていくのではないでしょうか。論述文に限らず、留学することにおいて不安はつきものでそれは経験者やこれから留学する人にしか共感できるものではないと思います。だからこそ、日本にいる間に少しでも対策をすることができるもの、勉強など時間を使って何度も反復すれば身になることをしておけば近い未来の自分を少しでも救うことができるのです。論述文の書き方に関する学習について、具体的に予備知識として学んでおいた方がいいことは、「英語圏における論述文の構成」「論述文特有の単語やフレーズ」「各テーマにおける最低限の書き方・文章の組み立て方」です。例えば、日本では起承転結というスタイルで文章が構成されていますが、英語圏では結論や重要なポイントを導入部分で論じるため、「この論述文は〇〇〇という点(←話の結果)について論じていきます。」と始めることが必要となります。勿論、これらの予備知識を入れたうえで500字程度の論述文を実際に書く練習を繰り返していれば論述文を効率よく書けるようになり、より海外で求められている高い質の文章を書く力がつくでしょう。ただ、あまりにもハードルが高いようだったら、上述の3点を基礎知識として知っておくだけでもきっと留学先での学習の理解度が高まるはずです。
最後に
皆さんが思い描く留学生活はキラキラして楽しそうなものですか?それとも、勉強することだらけですごく大変そうに感じますか?シドニーで生活を始めて3年以上経った現在まで、友達に囲まれて毎日が楽しい、キラキラした時間も、想像を絶する量の課題に追われる地獄のような時間も過ごしてきました。楽しいことばかり経験できるわけではありませんが、辛いことしかない、毎日が試練の連続、ということでもありません。留学において最も心掛けておくべきことは、周りの環境だけでなく、自分自身の学習に対する姿勢や過ごし方、意欲などによって留学生活の質がより良いものになるということ。また、早いうちに予習や良く演習を行っておけば少なからず将来の自分が苦しむことはないし、理解度を深めるきっかけにもなるので、留学を始めてから心機一転始めよう!というよりは事前の準備をしっかり行っておくことの方がより確実に英語のスキルアップに繋がるはずです。
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