オーストラリアに留学すると決めた時、私が通っていた英会話のアメリカ人の先生達や母に言われたこと。「オーストラリアってすごく訛りがあるんじゃないの、、?」そしてオーストラリアに来てから3年、私が思うこと。「アメリカ英語わかりづらい。。。」
英語は世界言語と言われているほど世界各国で公用語、もしくは第二言語として広く使用されています。そのため、英語は「英語」という一つの言語でありながら国によってユニークな訛り、スペル、アクセントを持つバラエティに富んだ言語でもあるのです。小学生の時に英語を学び始め、高校生の時から英会話スクールでアメリカ人の先生のもとで発音や話し方を学んでいた私は、オーストラリアで生活し始めた当初はオーストラリア人の話す英語の速さと強い訛りで何を言っているのか理解できず、コミュニケーションをとるのにとても苦労しました。しかし、前述の通り、オーストラリアに来て3年が経った今、自分でもわかるほど自分の話す英語はオーストラリア英語に近いもので、聞く英語もオーストラリア英語の方が心地良く、これまで聞き慣れていたアメリカ英語に敏感になってしまいわかりにくくなってしまいました。
たしかに英語にはバリエーションがあり、細かく分けると数え切れないほどの量であることがうかがえます。ですが、やはりポピュラーな2つといえば、アメリカ英語とイギリス英語。日本をはじめ、歴史上の出来事がきっかけで英語教育上アメリカ英語が適用されている国もあれば、イギリス英語が適用されている国もあります。そしてイギリス英語が色濃く浸透している国の1つがオーストラリアです。ですが、イギリス英語を基にオーストラリアで派生した発音や単語、独特な言い回しもあり、今では「オーストラリア英語」というジャンルでTOEICのリスニング問題に出題されるほど。そこで今回はちょっぴりユニークなオーストラリア英語を、日本人が慣れ親しんでいるアメリカ英語と「発音、スペル、フレーズ」の3点に注目して比較していきたいと思います。
オーストラリア英語とアメリカ英語の違い1.【発音】
*語尾や語中の[r]を発音しない!
皆さんは日本で英語の発音を練習していた時、[r]の発音で苦労をしたことはありませんか?あの舌を丸めて浮かせてそのまま音を発する。。。オーストラリア英語はイギリス英語と同じく「Non-rhotic」という種類に分類され、語尾や語中にある[r]が発音されない、もしくはそのまま舌を丸めず伸ばして発音した音になるのです。アメリカ英語の[r]の発音が苦手な日本人にとってはとても有り難い?特徴かもしれませんね!
*「can’t」は「キャント」ではなく「カーント」!
これは極めて有名なイギリス英語とアメリカ英語の違いではありますが、オーストラリア英語もイギリス英語同様に、「can’t」と「カーント」と発音します。この特徴はこの単語にとどまらず、例えば「castle」という単語はアメリカ英語では「キャソゥ」と発音するのに対し、オーストラリア英語では「カーソゥ」と発音します。これはオーストラリア英語において全ての「a」が「アー」と発音されると断言できることではありませんが、アメリカ英語で「ェ」の音のように発音するところをオーストラリア英語では「アー」と発音するパターンが多いようです。
*[a]は「エイ」ではなく「アイ」!
皆さんは下の単語をどう発音しますか?
・day ・mate
オーストラリア英語において[a]は「アイ」と発音される傾向にあるため、上記の単語はアメリカ英語での「デイ」、「メイト」ではなく、「ダイ」、「マイト」と発音されます。また、「awesome」のようにアメリカ英語で「アーサム」と発音するところをオーストラリア英語では「オーサム」、「god」をアメリカ英語では「ガーッドゥ」と発音するのに対し、オーストラリア英語では「ゴッドゥ」と発音することも母音の発音の違いです。
*母音にはさまれた[t]もはっきり発音する!
アメリカ英語において「water」のように[a]と[e]のような母音に[t]がはさまれている場合、この[t]は[d]、または日本語の「ら行」の音のように発音されるため「ワーラァー」と発音されますが、オーストラリア英語では「ウォーター」と[t]の音をはっきりと発音します。waterの他にも「better」、「butter」、「meter」などに当てはまります。
オーストラリア英語とアメリカ英語の違い2.【スペル】
*「-or」→「-our」/「center」→「centre」 「theater」→「theatre」
オーストラリア英語のスペルは基本的にイギリス英語表記をそのまま受け継いでいるため、「color」や「harbor」などの様にアメリカ英語で語尾が「or」で終わるものは、「colour」、「harbour」と表記されます。そしてアメリカ英語における「center」はオーストラリア英語では「centre」と「e」と「r」の順番が逆になることが特徴です。
*「-ze」→「-se」 (例外あり)
アメリカ英語において主に動詞に分類されることが多い「-ze」で終わる単語は、オーストラリア英語の場合「-se」と表記されます。(例:「organise」、「categorise」) 左の例の2単語は名詞形になっても「organisation」、「categorisation」と表記されます。
オーストラリア英語とアメリカ英語の違い3.【イントネーション】
*質問文でなくても語尾のイントネーションが上がる!
日本語でも英語のYes/Noの質問文でも、何か聞くときは語尾のイントネーションが少し上がる傾向があると思いますが、オーストラリア人は質問している時はもちろん普通に話すときでさえも語尾のイントネー
ションが上がる傾向があります。例えば、私がよく耳にするのは文と文を「and」でつなぐときの話し方(下記参照)
例:「Yesterday, I went to a supermarket (↑) AND I was looking for a bottle of barbecue sauce .(↑)」
上記で表現したように、オーストラリア人は肯定文であっても文の語尾が少し上げ、このスタイルは「Australian Question Intonation(AQT)」と呼ばれています。ただし、このオーストラリアの特徴的な話し方は、イギリス人はあまり好まないらしく、少し失礼で攻撃的であると捉えられてしまうそうなので、オーストラリアに馴染むために頑張って習得しなくてもいい話し方かと思います。。(´・ω・`)
オーストラリア英語とアメリカ英語の違い4.【フレーズ/スラング】
オーストラリア英語の独特さはなんといっても固有の言い回しやスラングがあること!中には文法的には間違っているものもありますが、オーストラリアではそれで通じてしまうのです。
* Ta!(タ!)→ Thank you!(有難う!)
さすがLazy Aussie!オーストラリア人の面倒臭がりな国民性が「Thank you」を短縮するというところに表れています。
* G’day(グッダイ)= Hey!(こんにちは!)
こちらは「Good day」という「Hey」のような意味の言い回しを短縮したものです。おじちゃん世代が主に使っているのをよく耳にします。ちなみにおじちゃんは「G’day」に「mate」(同世代や年下男性に対してカジュアルに使う言葉)をつけて、「G’day, mate!」(グダイ マイト!)と使っています。
* Barbie(バービー)= Barbecue:バーベキュー
一家に一台バーベキューマシーンがあると言っても過言ではないくらい、オーストラリア人はバーベキューが大好きです。日本のようにBBQとは略しません。
* Heaps~(ヒープス)= a lot of~:たくさんの~
若者がよく使う「heaps~」はオーストラリアではスラングとは思われていない程、ごくごく一般的な言い回しです。
* Arvo(アーヴォ)= afternoon:午後
「afternoon」を短縮してさらに変形させたもの。オーストラリア人の発想力たるや。。
* Good on you!= よかったね!
特に単語が変形したわけではないこのフレーズですが、アメリカでは「よかったね!」という意味では使うことはないそうです。もし、オーストラリア人の友達にちょっとした良いことがあったら「Congrats!」と合
わせて使ってみて下さい(^_-)-☆
* No worries. = Don’t worry.:大丈夫だよ。/心配しないで。
皆さんがご存知のフレーズ「Don’t worry」はオーストラリアでは「No worries」と言います。オーストラリアに来たらまず初めに覚えるであろうオーストラリア英語です。
*語尾を「~ィー」に変形する
例えば、「chocolate」(チョコレート)は「Chockie」(チョッキ―)、「breakfast」は「brekky」(ブレッキー)など、オーストラリア人は単語の語尾を「ィー」と変形させる傾向にあります。私が以前髪の毛を金髪に染めた時も知り合いのオーストラリア人に「Hey, blondie!」(blondie = blonde)と言われました。
オーストラリア英語とアメリカ英語の違い【まとめ】
今回は日本人にとってあまり馴染みがないオーストラリア英語に注目し、発音・スペル・イントネーション・フレーズ/スラングにおけるアメリカ英語との違いをご紹介しました。同じ言語でも異なる訛りやアクセント、表現方法がたくさんあり、それらが消えることなくむしろ発達していく理由は、その国々固有のアイデンティティの主張だと言われています。言語だけではなくイギリスの文化を色濃く残すオーストラリアですが、「オーストラリア英語」という新しい英語のスタイルが世界で認められているということは、オーストラリアが自分たちの「色」を創りあげた証なのではないでしょうか。
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