「オーストラリアの紫外線量って日本の〇倍なんだって!」
オーストラリアに来て絶対に聞くであろうこのフレーズ。皆さんもオーストラリアに着いてから、またはオーストラリアに渡航前の日本でもこの知識を教えてもらったことはあるのではないでしょうか?実際にオーストラリアに来てみて、確かに何となく紫外線強め…?と感じた事も多々あると思います。でも、その〇倍!という証拠、何のデータを元に出してきているのだろう…と疑問に思ったことはありませんか?調べてみたいと思います。
調査①旅のバイブル、ガイドブックに「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍だから注意して!」の注意喚起は書かれている?
ずばり、書かれていません!定番の写真を沢山使ってカラフルに書かれているガイドブック、持ち歩きしやすいカバンに入る大きさで作られているもの、女子ウケ抜群の可愛い絵が描かれてまとめられているもの、とりあえず莫大な情報量を集約しているThe ガイドブックなど、数種類のガイドブックを覗いてみましたが、「紫外線にはお気をつけて。」「紫外線対策は必須です。」とは書かれているものの、「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍です!気を付けて!」の注意喚起は一切ありませんでした。
調査②私たちの大先生、ネット検索!ネット上に「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍」の根拠は書かれている?
旅のバイブル、ガイドブックに書かれていなかったので、今度はとても便利なインターネットでその真相を調べてみたいと思います。“オーストラリア 紫外線”で検索をしてみました。
出てきた上記検索ワードは“オーストラリア 紫外線 なぜ”“オーストラリア 紫外線 何倍”“オーストラリア 紫外線 強い 理由”など。
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やはり皆さん、オーストラリアの紫外線事情には興味がある様です。実際ネット上のHPやブログも目を通してみると、「紫外線量は世界1位!オーストラリアの….」「紫外線に気をつけろ!…」「オーストラリアの紫外線は日本の5~7倍…」といったオーストラリアの紫外線をテーマにしたページやブログ記事が沢山あります。でも、読んでみてもそこに「オーストラリアの紫外線量は日本の〇倍」を自信を持って確証出来る数値化データなどは見つかりませんでした。
調査③オーストラリアと日本の紫外線量数値化データを発見!
※参照:http://www.who.int/uv/intersunprogramme/activities/uv_index/en/index3.html
この表は、WHO(世界保健機構)が公表している、世界各地の毎月のUV指数(UVインデックス)をまとめたものです。UV指数(UVインデックス)とは紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを表すために紫外線の強さを指標化したものです。つまり、“0に近いほど紫外線弱い、10に近いほど紫外線強い”ということになります。この表からオーストラリア(シドニー)と日本(東京)のUV指数を見てみたいと思います。
【シドニー】
・最低UV指数:2(6月)
・最高UV指数:10(12月)
・年間平均UV指数:6.1
【東京】
・最低UV指数:2(11月~1月)
・最高UV指数:10(7月)
・年間平均UV指数:5.9
最低、最高UV指数はシドニーも東京も同値。年間平均UV指数はシドニーが6.1、東京が5.9とシドニーの方が0.2ポイント高いとは言っても、正直この数値が「オーストラリアの紫外線は日本の5~7倍…」の真相を証明出来るとは言えないですよね?やっぱり「オーストラリアの紫外線は日本の5~7倍…」はただの噂だった!という結果にまとまりました。
ダーウィン(オーストラリア)のUV指数はとてつもない!!
ちょっと待って、ここで、少し視野を広げて改めて表を見返してみると、ダーウィンの紫外線指数がかなり高い値であることに気づきます。
【ダーウィン】
・最低UV指数:8(5月~7月)
・最高UV指数:13(2月)
・年間平均UV指数:10.75
このダーウィンの値と東京の値を比較してみれば、確かに「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍」と言えなくはないですよね?じゃあ結局真実は何なんだ!?ともやもやしてきますよね。ちなみに、ダーウィンはオーストラリアNT州の州都、オーストラリアの開拓が始まった場所です。年間を通して暑く、雨季(11月~4月)と乾季(5月~10月)に分けられます。観光としては、カカドゥ国立公園やリッチフィールド国立公園、ダーウィンからアデレードまで走る大陸鉄道、クロコダイル・ウォッチング・クルーズなどが有名です。
結果!「オーストラリアの紫外線量って日本の〇倍なんだって!」の真相はホントでもあるしウソでもある
少し脱線をしましたが、以上をまとめますと、ズバリ、「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍」の噂の真相は、「オーストラリアの一部地域では紫外線量が日本の〇倍だが、シドニーや複数都市ではそんなに日本とは変わりなかった。」という結果になりました。ただ、日本にも北海道の様に年中寒い地域もあれば、沖縄の様に年中温かい地域もあり、オーストラリアにも南オーストラリアやタスマニアの様に比較的年中過ごしやすい気候の地域もあれば、ケアンズの様に年中温かい地域もあります。オーストラリアと日本の紫外線量を比べる地域によっては、「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍」の噂が成立する組み合わせもあるという事です。ですが、逆に言えば比べる地域によってはトントン。オーストラリアに降り立った瞬間に「ああ、オーストラリアの紫外線量は日本の〇倍だからまずい!」と過剰に反応する必要は無いということです。
オーストラリアでは皮膚癌の発生率が高いのも事実、日焼け対策はどこにいても必須
とは言っても、オーストラリアでは皮膚癌の発生率が高いというのも事実。あのハリウッド俳優、オーストラリア、シドニー出身のヒュー・ジャックマンも3度の皮膚癌の治療を受けた経験があることを告白しています。
ヒュー・ジャックマンとは…
X-MENシリーズに出演していることで有名ですよね。その他にも「レ・ミゼラブル」、「オーストラリア」、「ナイトミュージアム」、「プリズナーズ」、「ニューヨークの恋人」など、沢山の映画に出演しています。オーストラリア出身を頭に置いて、ぜひ!ヒュー様の作品を観てみてはいかがですか?
オーストラリアで皮膚癌の発生率が多い理由として、オーストラリア大陸上空のオゾン層破壊が原因と言われていたり、白人は紫外線によるダメージを受けやすいのが原因と言われていたり、オーストラリアは天候が良いから陽が当たりやすい、などなど、これまた様々な噂があります。真相はまだまだ闇の中。このようなオーストラリアでの皮膚癌の発生率の高さも「オーストラリアの紫外線は日本の〇倍」の噂を生み出した一因かもしれないですね。とはいっても、どこに居ても紫外線対策をしておいて損は無し!女性は特に、シミやシワの原因にも繋がりますしね…。「オーストラリアの紫外線量って日本の〇倍なんだって!」のホントともウソとも言える噂にあまり惑わされ過ぎずに、楽しいオーストラリアンライフをお過ごし下さい!
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