まず、TOEFL®はTest of English as a Foreign Languageの略で、北米を中心とした大学へ入学する際の語学力を測る際に用いられる試験です。また、これは、正式名称が示す通り、英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測る、「外国語としての英語運用能力判定テスト」です。1964年にこのテストはスタートしました。現在、世界全域で 3000 万人を超える人々が、英語能力の習熟度を判断する目的で TOEFL® を受験しています。また、130 を超える国々の 9,000 以上の大学、機関、その他の団体が TOEFL のスコアを受け付けています。
良く間違われるものに、TOEIC®がありますが、これは、Test of English for International Communicationの略称で、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストです。日本では、TOEICの点数を採用条件に含めている企業も多く存在します。
ところで、意外と知られていないことですが、TOEFL・TOEIC共にEducational Testing Service (通称 ETS)が作っています。ETSは世界最大の私的非営利組織で、主にテスト遂行とその評価を行っています。
さて、ここからは、TOEFL ITPとPBTとiBTの違いをわかりやすく整理してみたいと思います。
TOEFLの正式名称
TOEFL Institutional Testing Program
PBTの(過去)問題を再利用
TOEFL Paper-based Test
1964年から開始 (当初は5セクション)
TOEFL Internet-based Test
2005年9月にアメリカで導入され、日本では2006年7月から開始
TOEFLの内容・用途・申し込み方法
マークシート形式の多肢選択式のテストで、Level 1、Level 2の2つのレベルがあります。TOEFL ITP テストは団体対象のテストプログラムのため、個人または個人の集まりでの申し込み・受験はできず、TOEFL ITPテスト実施状況や予定については所属する団体(大学、高校、企業など)に問合せをする必要があります。
また特筆すべきこととして、TOEFL ITP® テストは、レベルごとに5~8種類の異なるテストフォームを揃えていることです。Level 1には年間8種類のバリエーションがあり、半年に4種類ずつ新しいフォームが追加され、古いテストフォームは使用停止となります。Level 2には5種類のテストフォームがありますが、入れ替えはありません。
また、Level 1は、TOEFL PBTの過去問題を再印刷してそのまま使用しているため、難易度が同じです。一方のLevel 2はTOEFL PBTおよびLevel 1のスコアが500点以下の受験者を対象に過去問題を再構成して作られたものです。時間も問題数も少なくしてあります。
マークシート形式のテストです。同時に実施されるTest of Written English (TWE;ライティング問題が1題出題されます)のスコアはTOEFL PBTテストのト-タルのスコアには含まれまず、日本では、2007年11月を最後に実施は終了しており、作成元である、ETSは、2012年2月にTOEFL PBTテストの段階的廃止を発表しているので、今後受けられなくなるでしょう。
受験申し込みに関しては、https://www.ets.org/jp/toefl/pbt/about/bulletin/を参照してください。
Reading、Listening、Speaking、Writingの4つのセクションからなり、9,000 以上の大学や機関、その他の団体がiBTのスコアを正式なものとして受け付けているのに加え、 オーストラリアなどでは、居住ビザや就労ビザの発行に使用でき、医療機関や認可機関における専門資格の認定としても使われています。
受験会場は日本各地の教育機関およびテストセンターで (詳細はhttp://www.cieej.or.jp/toefl/toefl/venue.htmlをご覧ください)、実施回数は土日を中心とした年間30~40回です。
受験ポリシーとして、受験間隔を中12日(受験日含まない)空ける必要があります。
TOEFLの試験時間
Level 1、Level 2ともListening Comprehension、Structure and Written Expressions、Readingの3つのセクションに分かれています。
Level 1はそれぞれ50問 (約35分)、40問 (25分)、50問 (55分)の約115分間。
Level 2はそれぞれ30問 (約22分)、25問 (17分)、40問 (31分)の約70分間です
Listening Comprehension、Structure and Written Expressions、Readingの3つに加え、TWEと呼ばれるWritingの合計4セクションからなります。
ITPのLevel 1同様の約115分間に加え、Writingの30分間が足され、合計145分程度になります。
Readingが60~80分、Listeningが60~90分、その後休憩10分をはさみ、Speakingが20分、最後にWritingが50分間あり、合計4時間以上に及びます。
なお、Writingはキーボードで打ち込むスタイルのみになっており、手書きはできません。
TOEFLのスコア算出方法
Level 1では、Listening ComprehensionとStructure and Written Expressionsが31点~68点、Readingが31点 ~ 67点で各セクションの合計点×10÷3で310点~677点の間で出てきます。
Level 2では、すべてのセクションが20点~ 50点で、Level 1同様に各セクションの合計点×10÷3で200点~500点で出てきます。
Listening Comprehension、Structure and Written Expressions、Readingの3つに加え、TWEと呼ばれるWritingの合計4セクションからなります。
ITPのLevel 1同様の約115分間に加え、Writingの30分間が足され、合計145分程度になります。
ITP Level 1と同様に310点~677点の間で出てくる。さらに、TWEが1~6のスコアがつくが、合計点数には反映されません。
Readingが60~80分、Listeningが60~90分、その後休憩10分をはさみ、Speakingが20分、最後にWritingが50分間あり、合計4時間以上に及びます。
なお、Writingはキーボードで打ち込むスタイルのみになっており、手書きはできません。
4つのセクションすべて0点~30点で計算され、合計0点~120点で出てきます。
TOEFLの試験方法と受験料
紙ベース
10人以上から受験が出来、人数によっても払う値段が異なりますので、所属団体に確認する必要があります。
紙ベース
2016年6月現在、受験料はUS $170です。
インターネットベース (PC使用)
2016年6月現在、受験料はUS $230です。
全てのTOEFLに対する注意事項
1) 全てに共通して言えることですが、スコア有効期限は、試験日から2年間となっていますから、あまり早い時期に受けすぎて、使いたい時に有効期限が切れていても困りますし、実際に留学に行く半年から1年近く前にスコアの提出を求められる場合も多いので、計画的な受験計画をしておく必要があります。
2) TOEFL ITPは「団体用試験」のため、英語力を判定するためには有効ですが、公式なものではなく、その団体の中でのみ点数の結果が利用されます。ですから、その大学内での留学の選考に関しては使うことが出来ても、正式な留学をするためのスコアとしては、多くの場合iBTでの点数を求められます。
3) TOEFL ITPも昨年からListening Comprehensionのセクションでノートテイキングが許可されました。一方でTOEFL iBTは4つのセクションすべてでノートテイキングが認められています。
各TOEFLテストのスコア換算表
次に、各試験の相関を見てみましょう。また、ここでは、TOEFLテスト自体の未受験者を想定し、英検・TOEICのスコアも一緒に表記します。
TOEFL ITP (PBT) | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
---|---|---|---|
673 – 677 | 120 | ||
670 | 119 | ||
660 – 667 | 117 – 118 | ||
630 – 657 | 109 – 116 | 970 – 990 | |
600 – 627 | 100 – 108 | 870 – 970 | 1級 |
577 – 597 | 90 – 99 | 820 – 870 | |
550 – 573 | 80 – 89 | 740 – 820 | 準1級 |
521 – 549 | 69 – 79 | 600 – 740 | |
500 – 520 | 61 – 68 | 550 – 600 | 2級 |
470 – 499 | 52 – 60 | 500 – 550 | |
450 – 469 | 45 – 51 | 450 – 490 | 準2級 |
400 – 449 | 33 – 44 | 300 – 440 | |
391 – 399 | 29 – 32 | 291 – 299 | 3級 |
3種類のTOEFLテストの違い ~まとめ~
TOEFL受験に際して、まず、『留学』という大きな目標があるかどうか、これを自分に問うてみて下さい。
その上で、環境的にTOEFL-ITPが受験可能でしたら、ITPに取り掛かる方が良いと思います。一方、TOEFL-iBTしか受験出来ない場合は、note-takingやwriting、そしてspeakingに至るまで多くの対策が必要となりますので、充分な準備をしての受験が望まれます。
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