「英語力をアップしたい」
そう思いながらこのページを読んでいる人も多いことでしょう。英語、使えるようになりたいですよね。この記事では「語彙力の強化」という側面から、英語力をアップさせる方法について解説します。
そもそも「英語力アップ」とは
「英語力アップ」とは、ある話題についての情報を、英語で受信・発信できるレベルが上がることです。語彙が制限されていると、受信・発信できることが制限されてしまいます。英語力を上げるためには、語彙力を上げることが必須です。
「受容語彙」と「発信語彙」
語彙には
・受容語彙(見たり聞いたりして意味がわかる語)
・発信語彙(書いたり話したりするときに使える語)
の2種類があり、受容語彙と発信語彙の割合は3:1くらいと言われています。
そして、「語彙力強化」とは、
・受容語彙を増やす
・増やした受容語彙を発信語彙のレベルに引き上げる
という取り組みのことです。
語彙力がある=単語の意味を多く知っている、ということではない
「語彙力がある」というと、「たくさんの単語の意味を知っている」と思いがちですが、そうではありません。
たとえば、「drive」という英単語の日本語訳を聞くと、ほとんどの人は「運転する」と答えるでしょう。
しかし、「drive」について辞書を引くと、「運転する」のほか、
・〜を追う
・〜を駆る、駆り立てる
という訳語も載っています。
自動車が発明されるまで、人々は馬や馬車をdriveしていました。driveする対象が馬から自動車に代わっただけで、driveという単語は今も昔もdriveのままです。「drive=運転する」という意味のみを単に覚えているだけだと、dirve a horseという英語を見たときに「馬を運転するなんておかしい、どうしたらいいんだろう…」と混乱してしまいます。「driveはもともと駆り立てるとか、走らせるとかいう意味だったはず…」というところまで意識を持って行けるようになると、ぐっと英語への理解が深まります。
つまり、「語彙力がある」ということは、単純に「単語の意味を多く知っている」のではなく、「単語が持つ根本的な意味を理解し、場合によって使い分けができる」ということなのです。
初めのうちはひたすら単語の意味を覚えていくだけでもいいでしょう。しかし、ある程度のレベルになると、「あれ、この単語前も出てきたけど、その時は別の意味だったはず…?」という気づきが増えてきます。その時に「単語が持つ根本的な意味」について調べ、考えることで、本当の語彙力が少しずつ増強されていくでしょう。
語彙力強化のための方法〈方法別〉
1.単語集を使う
非常にオーソドックスですが、限られた時間内で語彙力を強化したい場合、目的に応じた単語集を使うのがとても有効です。ただし、単語集を使うときには、以下の3点に注意しましょう。
・例文がついているものを選ぶ
「単語だけ」を単純に・個別に記憶するのは一見情報が少なく覚えやすそうに思えますが、実際は覚えにくく非効率です。例文がついているものを選びましょう。
・似たようなレベルの単語集を複数冊やる
「例文がついている単語集」を複数冊こなすことも効果があります。同じ単語を複数の違う例文で目にすることで、その単語が持つ「根本的な意味」が見えてくるようになるためです。
・音声CDがついているものを選ぶ
「毎日10分間はとりあえず音声を聞く」というように、通勤時間などに決まった時間とりあえず聞く習慣をつけるだけでも効果があります。
2.興味があること・知りたいことについて英語で読む
似たテーマの英文をたくさん読むと、頻繁に出てくる単語が見えてきます。それがそのテーマで覚えておくべき単語です。特に最近ではインターネットでキーワードを打ち込むだけで同じテーマの英文を簡単にたくさん見つけることができますから、まずは出てきたページにざっと目を通すだけでもいいでしょう。
興味があるトピックであれば、ある程度の背景知識がある状態で英文を読むことになるので「これ、英語ではこう言うんだ!」というように、頭にすっと入りやすいのがメリットです。
語彙力強化のための方法〈目的別〉
1.仕事上英語が必要な場合
仕事に関連する話題の中で頻繁に登場する語彙があるはずです。その「受容語彙」をまずは増やしましょう。都度辞書で調べるのはもちろん、特有の言い回しなどは勘違いなどがないよう、同僚などに意味を確認しておくといいですね。
「受容語彙」が少しずつ増えてきたら「発信語彙」を増やしていくことになります。情報発信の時に誤解などを生まないよう、伝えなければならない情報やコミュニケーションを取る場面を詳しく想定し、場面に応じて使う単語をあらかじめ決めた上で、発信の際に積極的に使っていきましょう。
2.海外旅行や趣味・娯楽のための語彙力
どのような場面で英語を使うことを想定しているのか、まずは考えましょう。
たとえば
・旅先で挨拶をしたり、世間話をしたりする
・インターネット上で趣味の情報を集めたり、SNSで情報交換をしたりする
などです。
そして、自分が表現したいことをまず日本語で書き出してみましょう。それを英語に翻訳し、出てくる単語について調べたり、覚えたりする作業を繰り返すと、最低限必要な語彙はカバーすることができるでしょう。
3.試験対策のための語彙力
・スコア型試験に求められる語彙
スコア型試験は目的が比較的明確です。たとえばTOEICなどはビジネス表現、TOEFLなどは海外(主にアメリカ)の大学の授業で使われるアカデミックな表現が重要です。試験に特化した単語集以外に、目的に応じた単語集や英文などに多く触れておくことが大切です。
・○級合否型試験に求められる語彙
対象となる級の試験で使用する語彙レベルが細かく設定されているため、その試験・その級に特化した単語集等での対策が有効です。
おすすめ教材
様々なテーマの英単語に触れ、受容語彙を増やすための教材
『テーマ別英単語ACADEMIC』Z会出版
→大学レベルの英語で書かれており、人文・社会学編、自然科学編があります。多様な英単語に触れることができます。
『VOAニュースフラッシュ』アルク出版
→時事問題に関連した英語が多く出てきます。
発信語彙を増やすための教材
『英語で意見を論理的に述べる 技術とトレーニング』(ベレ出版)
→英語で意見を発信することに重きを置いた教材です。
『50トピックでトレーニング 英語で意見を言ってみる』(ベレ出版)
→「患者へのガン告知の是非」「家事を平等に負担する方法」などの具体的なトピックを設定し、意見を述べるときに大切な反論、賛成、強調、確認、提案などの表現を学べます。
ちょっと変わった視点から学ぶ英単語
『連想式でみるみる身につく 語源で英単語』(学習研究社)
『英単語マニア—語源事典』(新日本教育図書)
→どちらも「語源」をテーマとした単語集です。単語の中にある共通点を学ぶことで、頭の中でごちゃごちゃしている語彙を整理することができます。
音声で学ぶ英単語
『英語耳』シリーズ(アスキー・メディアワークス)
→「音」を基準に単語を分類し、耳から単語を覚えることができる教材です。
まとめ
語彙力アップのためには、「英語を使って何をしたいのか」という目的をはっきりさせて、目的に応じた適切な対策をすることが大切です。
「英単語を覚える」のではなく、「英単語本来の意味について考える」という意識を持って、少しずつ語彙を増やしていきましょう!
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