Occupational English Test(OET)は、日本を含む世界28カ国(2015年10月時点)60ヶ所で年12回実施されている英語力判定テストです。有名なIELTS(アイエルツ)やTOEIC、TOEFLなどと異なる点は、職業別にテスト内容が異なることです。オーストラリアやニュージーランドでの医療従事者の資格申請時に求められる英語力の証明や永住権申請の英語力証明としても認可されています。今回は、ワールドアベニューのシドニースタッフがOET団体から直接伺った話を元にOETについて解説してみました。
(本情報は、2015年10月1日にOET実施団体から公式に提供されている情報に基いて作成されています。最新の情報はOET団体の公式サイトをご確認ください)
オーストラリア・ニュージーランドで医療従事者(看護師・薬剤師)になるために必要な英語力証明テスト「OET」のまとめ
OETのテスト形式
OETは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つの科目から成り立っています。リスニングとリーディングは、医療従事者向けのテスト内容ではあるものの、全分野共通のテストが実施されます。一方で、ライティングとスピーキングについては、医療分野ごとにテストが設計されています。
各科目の試験概要
2つのセクション(パートAとパートB)があり、合計20問から28問出題されます。パートAは、医療従事者間の会話を聞き取る能力を判定します。パートBは、学会での発表や大学での講義内容を聞き取る能力を判定します。
・リーディング(合計60分:パートA 15分/パートB 45分)
2つのセクション(パートAとパートB)があり、それぞれで時間が区切られています。パートAでは、4つの短いセンテンスを呼んで、要約文の空白箇所を埋める問題が出題されます(25〜35問)。パートBでは、2つの長い文章(各600〜800語)を読み、各文章につき8問から10問の選択式問題に回答します。
・ライティング(45分)
180文字から200文字で、患者の状況について説明する文章を書くことがライティングテストでは要求されます。問題や、過去の治療履歴、特記事項につい所定のフォーマットに基づいた英作文が必要です。
・スピーキング(約20分)
OETのスピーキングは、試験官と実際の医療シチュエーションを想定したロールプレイ形式で行われます。試験官は患者や患者の親族や他の医療従事者という役で質問を行い、受験者の英語コミュニケーション能力を測ります。
OETが提供している医療分野12種とは?
OETでは、ライティングとリーディングテストの内容を12の医療専門分野にわけて実施しています。
Dietetics:栄養学
Medicine:医学
Nursing:看護学
Occupational Therapy:作業療法
Optometry:検眼
Pharmacy:薬学
Physiotherapy:理学療法
Podiatry:足病学
Radiography:レントゲン
Speech Pathology:言語療法
Veterinary Science:獣医学
OETの採点スコア
OETでは、科目ごとにA(高い)〜E(低い)の5段階で英語力を測定しています。IELTSのような平均点(Overall)は算出されません。
スコアA:とても高い英語能力
スコアB:高い英語能力(例えば、職場で求められる流暢さと正確さをもった英語を使える)
スコアC:良いレベルの英語能力(しかし、資格登録には認められないレベルの英語能力)
スコアD:あまり高くない英語能力
スコアE:低い英語能力
OETのテスト結果発表日
OETのテスト結果は、テスト受験日より15営業日後にOET公式サイト上の個人別ページに掲載されます。加えて、正式な成績証明書がOET団体より郵便で発送されます。資格申請やビザ申請時には、OET団体から直接成績証明書を送付する手続きが必要となることがあります。
OETのスコアはどこで使えるの?
OETのスコアは、オーストラリア、ニュージーランドに加えシンガポールの公的な機関や教育機関に正式に英語資格証明として認められています。
・Australian Department of Immigration and Border Protection(DIBP):オーストラリア移民局
・Autralian Health Practitioner Regulation Agency(AHPRA):オーストラリア医療従事者認定団体
・オーストラリアの大学入学審査(13大学で許可)
オーストラリアやニュージーランドで必要なスコアって?
目的によって、OETで必要となるスコアやスコアの取り方は変わります。例えばオーストラリアの看護師協会に看護師免許を申請する際は、OETで全ての科目でスコアBが必要となりますが、半年間で受けたテストの2回分の高いスコアを採用してくれます。一方で、オーストラリアのビザ申請で申請する際には、1回のテストでスコアBを取得する必要があります。必要となるスコアをしっかりと確認した上で試験に臨むようにようにしましょう。
▼情報元
AHPRA:https://www.ahpra.gov.au/
DIBP:https://www.border.gov.au/
さいごに
OETは、簡単にスコアBが取れる魔法のようなテストというわけではありません。しかし、医療従事者向けに試験問題が作成されているため、医療従事者にとっては身近に感じるトピックが中心となります。職業にフォーカスがあたっているOETで夢の海外資格にチャレンジしてみませんか!?
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